インタビュー:永井美智子(編集部)
文:林信行、写真:津島隆雄
2005/11/30 08:00
「CNET Japan Innovation Conference 2005 Autumn」(CJIC)でWeb 2.0時代の検索サービスのあり方について講演し、大きな注目を集めた米Ask Jeeves。プロダクトマネージメント バイスプレジデントのDaniel Read氏に、Web 2.0という流れが検索サービスに与える影響や今後の戦略について詳しく聞いた。
--Web 2.0時代、検索サービスはどのような問題に直面しているのでしょう。
今日、かつてないほどの勢いでConsumer Generated Media(CGM:消費者発信型の情報)が広まりつつあります。これにはブログのほか、個人サイトによる小規模情報発信などが含まれます。
こうしたWeb 2.0のトレンドには、検索サービスをより強力なものにしてくれる側面があります。かつてないほど情報が増えたことで、ユーザーが求めている答えをインターネット上で見つけられる可能性がさらに高くなったからです。
その一方で、こうしたトレンドには大きな問題もあります。我々のような大手の検索エンジンの多くは既に重複情報を含め100億ページほどのサイトをインデックス化しています。ここにCGMが加わったことで、インデックスの規模はこの10倍ほどに膨れあがっていくでしょう。
また、CGMの台頭によってメタデータの量も急激に増えています。メタデータというのは情報についての情報です。例えば私がサッカー関係のブログをつけていたとすると、「そのブログはサッカーに関するものである」とか、「このエントリはあるサッカーチームについてのものである」といった情報がメタデータです。そして、これだけの情報を扱うということは、検索エンジンにとっても大きなチャレンジとなります。
--ウェブ上の情報の多様化が進む中、特定分野に特化したバーティカルサーチ(垂直型検索サービス)も増えてきていますが、これについてはどうとらえていますか。
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私自身はさまざまなバーティカルサーチサービスが増えるのを楽しみにしていますし、歓迎もしています。
例えば不動産情報の検索に特化したtrulia.comのように、特定の情報の検索に特化したサービスを提供することにはそれなりに意義があると思います。しかし、こうしたサービスでは何といっても一定量のトラフィックを得られるかが重要な鍵となります。せっかくサービスを作っても、誰もそれを知らずに使われないのでは意味がないからです。
そこでこうした会社にとっては今後、大手の会社と手を組むことが重要なのではないかと思っています。
--手を組むというのは具体的にはどういうことでしょう。大手の検索サービスに検索エンジンのライセンスを提供するということですか。
そうですね。それもありますし、バーティカルサーチ企業が情報を提供するというのもあると思います。大手検索サービスは、常にどこかにいい品質の情報がないか探しているものです。実際、我々も米国市場でショッピング情報サイトと協力関係を結んでいます。
--日本の状況はいかがですか。
日本ではパートナーと協力したブランディングに力を入れてきました。検索をするとユーザーが求めている答えが一発で出てくる「一発検索」というサービスで、パートナー企業が持つ質の高い情報をAsk.jp上で提供しているのです。我々は米国や英国市場では既に広く認知されていますが、日本ではまだそこまでブランドが浸透していない。そこで日本市場ではこうしたパートナー企業の名前も借りながら認知を高めていきたいと思っているのです。
--CJICの講演では、今ウェブに起きている変化の事例として、Web 2.0のいくつかのトレンドを紹介していました。Ask Jeeves自身でAJAXやフォークソノミーといったWeb 2.0のトレンドを取り入れる予定はないのでしょうか。
我々はこういったWeb 2.0のトレンドを注意深く見守っています。インターネットでは常に新しい変化が生まれているものですが、今のインターネットはまるで1950年代の白黒テレビのようなものだと思っています。これからまだ、次から次へと新しいトレンドが生まれてきます。私もAJAXの可能性には夢を抱きますし、フォークソノミーにも注目をしていますが、だからといってそれをすぐに採用すべきかというと、話は別です。
もっとも大事なのは、すべてをシンプルに保つことです。例えばちょっと前、Flashが登場した時も、多くの人が「これはすごい」と言って飛びつきました。しかし、サイトをインタラクティブにしようとするあまり、あまりにもいろいろな機能が組み込まれすぎて、どう操作したらいいのかわからないようなページもでてきました。
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