Stefanie Olsen(CNET News.com)
2004/05/20 10:01
Googleに恵みをもたらした社員がいるとすれば、それは社員第1号のCraig Silversteinだ。Googleのテクノロジーディレクターである同氏は、「邪悪に身を落とすな」というGoogleのポリシーの忠実な具現者でもある。
Silverstein(31歳)は1998年にスタンフォード大学の博士課程を中断し、大学時代の親友Sergey BrinやLarry Pageといっしょに、近くのガレージで後に有名になる検索エンジンを開発し始めた。
彼の選択した道は正しかった。Googleは間もなく、技術系企業としては2000年以来最も話題を集めたIPOによって、27億ドルの資金を調達しようとしている。
彼がもうすぐ億万長者になることはさておき、膨大な量の仕事をいとも簡単にこなすという点でSilversteinの右に出る者はいない。Googleのテクノロジーディレクターとして同氏は、人工知能を利用した検索ペットという検索の理想像を追い求める一方で、人々が情報に容易にアクセスするための仕組みを次々と世に送り出してきた。いくつか例を挙げると、検索結果のパーソナライズサービスや商品価格比較サービス、1人あたり最大1ギガバイトの容量が使える無料電子メールサービス(Gmail)などがある。
GoogleのIPO申請前に行ったこのインタビューでは、プライバシー擁護論者たちのGmailに対する反発や、Googleの社風の変化、Googleに今日の栄光をもたらした数学アルゴリズムPageRankへの依存度の変化などについて聞いた。Googleは、スタンフォード大学から取得していた、PageRankを独占的に利用できるライセンスの契約を最近更新した。この契約は2011年まで有効である。
---Googleが検索の歴史で果たした役割をどのように見ていますか。
Googleは、ちょうど良いタイミングで、ちょうど良い場所に誕生しました。コンピュータが登場して以来、人々が入手できる情報は増え続け、それらの情報を理解して役立てるために、さらに高度な検索技術が求められるようになってきました。Googleは、そうした時代の最先端にいました。
---理想的な検索エンジンを説明するのに、スタートレックに登場する宇宙船Starship Enterprise号の知性に似たものという言い方をされていますね。インテリジェントな検索ペットがいる世界として。このアイデアについて簡単にお話しいただけますか。
コンピュータを図書館の司書のように賢くするという考え方もありますね。これは面白いアイデアです。なぜなら、司書もコンピュータを使い、Googleを使って調べ物をするわけですが、そのとき司書はコンピュータにはできない何か知的な要素を検索に付け加えます。
つまり、Googleが目指す目標の1つは、コンピュータと対話することで、その対話の内容から、もっと良い答えを返してくれるようにコンピュータを賢くすることです。これはまさに、Googleが検索の質を向上させるために考えていることです。
---そうした人工知能を利用した検索はいつ実現するとお考えですか。
言語の理解は人工知能の分野でも最後の未開拓の領域ですが、研究が進めば、司書と話すのと同じようにコンピュータと話せるようになると思います。コンピュータも、世界や個々の人間について、司書と同じくらいの知識を持つようになりますから。
しかし、両者には大きな違いもあります。コンピュータは、たとえどんなに賢くても感情や事実以外の情報(つまり人間の心の中)を理解することは困難ですが、司書にはそれができます。そこで、(そうしたものさえ理解する)検索ペットの登場となるわけです。
こうした人工知能による検索が実現するのは、200〜300年先になると思います。おそらく300年近くかかると思っています。たとえ200年くらいで実現したとしても、その頃、私は生きていませんから、誰にも反論される心配はありませんが。
---確かに。
30年ほど前、1960年代に人工知能の研究に取り組んでいた人たちは、こうした問題は21世紀には解決されているだろうと思っていました。しかし今日でも、言語を理解するというAIで最も困難な目標に関しては、当時と比べてたいして進歩していません。
---インターネットをマーケティングに利用する人間が、自社サイトに大量のリンクが張られているように見せかけることでPageRankの仕組みを悪用しているため、一部のコンピュータ科学者はPageRankは破綻しているのではと疑っています。この点についてはどうでしょうか。PageRankは改良されたのでしょうか。それとも、あまり重要な役割を果たさなくなってきているのでしょうか。
PageRankが破綻しているという見方は、非常に固定的なものの見方です。PageRankは今後もページをランク付けする手法の1つであり続けます。しかし、ランク付けの新しいアイディアを思いついたら、既存のアイディアを修正したり、両者を組み合わせて新しい方法を考案したりするうちに、PageRankに限らず、現在使用している技術が果たす役割は当然変化していきます。
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