ゲイツ&バルマー:「戦闘準備は万端」 - (page 3)

文:Ina Fried and Michael Kanellos (CNET News.com)
翻訳校正:尾本香里(編集部)
2006年01月13日 22時33分

--CESでは音楽の話が出るでしょう。Microsoftはかねてから、ユーザーに選択肢を提供することの重要性を説き、大規模なエコシステムを構築することが、長い目でみればよい結果をもたらすと訴えてきました。現在のところ、Appleが提供しているのは1つのプレイヤーファミリーと、1つの音楽ストアに過ぎません。しかし、同社は矢継ぎ早に新製品を発表することで、消費者を引きつけています。この状況を変えるために、Microsoftとそのパートナーは何をしなければならないのでしょうか。

 Gates:車の中でも、電話でも、あるいは家のどこにいても、音楽を楽しむことができるようにしなければなりません。

 Ballmer:エクスペリエンスを統一する必要があります。多様な機器が存在することが問題だといっているのではありません。それ自体はすばらしいことです。しかし、どの携帯機器のユーザーにも同じエクスペリエンスを提供できるようにする必要があります。

 現実を見ると、PC環境では当社のソフトウェアは引き続き、高いシェアを確保しています。しかし、携帯機器の分野ではそうではありません。携帯機器のユーザーとPCのユーザーのエクスペリエンスをよりシンプルなものにするためには、何らかの手を打つ必要があります。これは優先度の高い課題です。Appleは確かにいくつかのことを正しく行い、良い結果をもたらしました・・・その功績は認めます。

--ハードウェアへの関与を深める必要はありませんか。Xboxを除くと、Microsoftはハードウェアの製造にほとんど関知していません。しかし、もっと多くのリファレンスデザインを発表することはできるのではありませんか。

 Ballmer:デバイスとPCの連携はもっとシンプルにする必要があります。この点については、パートナーと協力しながら、さまざまな方法を試してみるつもりです。妥当な場合は、リファレンスデザインの発表も検討します。しかし、エクスペリエンスをシンプルにすることは不可欠です。情報の見せ方、周辺機器の見せ方、パッケージ、店頭でのプレゼンテーションなどについては、パートナーとともにやるべきことがまだたくさんあると思います。

--その最初の試みがPlaysForSureキャンペーンですか。

 Ballmer:これはすでにスタートしています。やるべき事は山積しています。

--消費者製品についていえば、最近はXboxに関する発言が目立ちます。実際、XboxはMicrosoftに大きなチャンスをもたらしました。Microsoftは次世代のゲーム機を市場に投入しましたが、ソニーが新製品を投入するのはしばらく先になりそうです。発売直後のXboxの供給状況は、Microsoftの期待通りではなかったかもしれません。ソニーが次世代機を投入してくる前に、どんなことをするつもりですか。具体的な達成目標があれば教えてください。

 Gates:供給状況は非常に良かったと思います。

 Ballmer:上々です。品薄になることは、想定していました。

 Gates:われわれは他社に先駆けて、次世代のゲーム機を投入しました。今やXboxは話題の中心です。私もこのクリスマス休暇には、Xboxで100時間以上遊びました。すばらしい経験でした。多くのユーザーがXboxの世界にハマるでしょう。賞もあれば、人と知り合う機会もある。コンテストにも参加できる。画期的な製品だと思います。

 Ballmer:われわれはXboxの魅力を、幅広い属性の人々に伝えたいと考えてきました。Xbox 360によって、この目標のかなりの部分は達成されつつあります。たくさん生産しなければなりません。供給不足になることは予測していましたが、大量に生産できる見込みもありました。生産台数が膨大なら、販売台数も膨大でした。どんどん生産しなければ追いつきません。Billがいっている通り、会計年度末には販売台数は約500万台に達するでしょう。Xboxに関しては、すべてがとんとん拍子に進んでいます。作るそばから出荷していますが、飛ぶように売れていく。これ以上の状況は望めないと思います。

--Xboxの登場は、ソニーにどのくらいの痛手を与えたのでしょうか。

 Gates:後発者の立場がどんなものかはよく知っています。われわれも経験したことがありますからね。前回がそうでした。あのときの状況は、今とはまったく違うものでした。前回の状況では、例えば私がPlayStation 2(PS2)を買い、あなたがXboxを買ったとしたら、われわれはお互いの家を行き来して、私の家ではPS2、あなたの家ではXboxで遊んだはずです。

 しかし、「Live」の環境では、対戦成績などのデータを蓄積することができます。世界中の誰とでも遊ぶことができます。私がすでにXboxを持っていて、あなたが2006年、あるいは2007年に新しいゲーム機を買うとしたら、私とLiveで遊ぶためには、Xboxを買わなければなりません。LiveはXboxの醍醐味です。

 われわれはこの最先端のユーザー層を獲得しました。彼らの多くは2台目のゲーム機を買おうとはしないでしょう。そうする人もいるでしょうが、彼らにオンラインでゲームをしようと誘われた友人たちは、Xboxを持っていなければなりません。つまり、この世代のゲーム機では、過去のどの世代よりも、先発者となることが重要だったのです。

 Ballmer:Liveの強みは・・・ソニーがまだLiveに対応するサービスを発表していないことです。ひとつ前の世代では、どちらかといえば、当社の製品は価格面で不利な立場に立たされていました。ソニーがどんな(Blu-Ray Disc対応)製品を出してくるかによりますが、今回は当社が価格面で不利な立場に立たされることはないと思います。

 Gates:(Ballmerに対して)バスケットボールの画面を見た? あれはすごいよ。

 Ballmer:私が見たかって?何を隠そう、Ballmer家では今、あのゲームが大ブームなんだ。ある晩、息子が私のところにやってきて、こういったんです。「パパ、このゲームのプレイヤーは数分たつと汗をかき始めるんだよ・・・まるで本物の選手みたいに。すごいんだよ、パパ」。私には13歳を筆頭に、3人の息子がいます。初代Xboxの時と違って、今回は妻も、このゲームを我が家のコレクションに加えることに賛成してくれました。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画広告

企画広告一覧

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]