最終更新時刻:2008年10月6日(月) 19時43分

Web 2.0が検索サービスに突きつける課題

インタビュー:永井美智子(編集部)
文:林信行、写真:津島隆雄

2005/11/30 08:00  

 「CNET Japan Innovation Conference 2005 Autumn」(CJIC)でWeb 2.0時代の検索サービスのあり方について講演し、大きな注目を集めた米Ask Jeeves。プロダクトマネージメント バイスプレジデントのDaniel Read氏に、Web 2.0という流れが検索サービスに与える影響や今後の戦略について詳しく聞いた。

--Web 2.0時代、検索サービスはどのような問題に直面しているのでしょう。

 今日、かつてないほどの勢いでConsumer Generated Media(CGM:消費者発信型の情報)が広まりつつあります。これにはブログのほか、個人サイトによる小規模情報発信などが含まれます。

 こうしたWeb 2.0のトレンドには、検索サービスをより強力なものにしてくれる側面があります。かつてないほど情報が増えたことで、ユーザーが求めている答えをインターネット上で見つけられる可能性がさらに高くなったからです。

 その一方で、こうしたトレンドには大きな問題もあります。我々のような大手の検索エンジンの多くは既に重複情報を含め100億ページほどのサイトをインデックス化しています。ここにCGMが加わったことで、インデックスの規模はこの10倍ほどに膨れあがっていくでしょう。

 また、CGMの台頭によってメタデータの量も急激に増えています。メタデータというのは情報についての情報です。例えば私がサッカー関係のブログをつけていたとすると、「そのブログはサッカーに関するものである」とか、「このエントリはあるサッカーチームについてのものである」といった情報がメタデータです。そして、これだけの情報を扱うということは、検索エンジンにとっても大きなチャレンジとなります。

--ウェブ上の情報の多様化が進む中、特定分野に特化したバーティカルサーチ(垂直型検索サービス)も増えてきていますが、これについてはどうとらえていますか。

 私自身はさまざまなバーティカルサーチサービスが増えるのを楽しみにしていますし、歓迎もしています。

 例えば不動産情報の検索に特化したtrulia.comのように、特定の情報の検索に特化したサービスを提供することにはそれなりに意義があると思います。しかし、こうしたサービスでは何といっても一定量のトラフィックを得られるかが重要な鍵となります。せっかくサービスを作っても、誰もそれを知らずに使われないのでは意味がないからです。

 そこでこうした会社にとっては今後、大手の会社と手を組むことが重要なのではないかと思っています。

--手を組むというのは具体的にはどういうことでしょう。大手の検索サービスに検索エンジンのライセンスを提供するということですか。

 そうですね。それもありますし、バーティカルサーチ企業が情報を提供するというのもあると思います。大手検索サービスは、常にどこかにいい品質の情報がないか探しているものです。実際、我々も米国市場でショッピング情報サイトと協力関係を結んでいます。

--日本の状況はいかがですか。

 日本ではパートナーと協力したブランディングに力を入れてきました。検索をするとユーザーが求めている答えが一発で出てくる「一発検索」というサービスで、パートナー企業が持つ質の高い情報をAsk.jp上で提供しているのです。我々は米国や英国市場では既に広く認知されていますが、日本ではまだそこまでブランドが浸透していない。そこで日本市場ではこうしたパートナー企業の名前も借りながら認知を高めていきたいと思っているのです。

--CJICの講演では、今ウェブに起きている変化の事例として、Web 2.0のいくつかのトレンドを紹介していました。Ask Jeeves自身でAJAXやフォークソノミーといったWeb 2.0のトレンドを取り入れる予定はないのでしょうか。

 我々はこういったWeb 2.0のトレンドを注意深く見守っています。インターネットでは常に新しい変化が生まれているものですが、今のインターネットはまるで1950年代の白黒テレビのようなものだと思っています。これからまだ、次から次へと新しいトレンドが生まれてきます。私もAJAXの可能性には夢を抱きますし、フォークソノミーにも注目をしていますが、だからといってそれをすぐに採用すべきかというと、話は別です。

 もっとも大事なのは、すべてをシンプルに保つことです。例えばちょっと前、Flashが登場した時も、多くの人が「これはすごい」と言って飛びつきました。しかし、サイトをインタラクティブにしようとするあまり、あまりにもいろいろな機能が組み込まれすぎて、どう操作したらいいのかわからないようなページもでてきました。

特集

グーグルの米国エネルギー問題解決策--22年計画「Clean Energy 2030」の内容
自社での節電を積極的に進めているグーグルが、米国政府に国内のエネルギー問題を解決する計画を提案した。
物理学をラップで--YouTubeで人気の大型加速器(LHC)動画が生まれるまで
大型ハドロン衝突型加速器(LHC)の素粒子物理学の実験をわかりやすい言葉で歌ったラップが「YouTube」でヒットし、多くの注目を集めている。ここでは、そのラップが生まれるまでを紹介する。

オピニオン

■インタビュー

Windows VistaにとってXPはライバルか?--マイクロソフト グローバルマーケティング担当Brad Brooks氏Windows VistaにとってXPはライバルか?--マイクロソフト グローバルマーケティング担当Brad Brooks氏
コンシューマー市場向けの取り組みを強化すると発表したマイクロソフト。日本におけるWindows VistaやWindows Media Centerの現状をどう見ているのか、コーポレートバイスプレジデントのブラッドブルックス氏に話を聞いた。
「iPodを日本で一番売りたい」--ビックカメラ有楽町店に聞く新iPodの魅力「iPodを日本で一番売りたい」--ビックカメラ有楽町店に聞く新iPodの魅力
発表後初の週末となった9月13日に、新iPodファミリーの店頭イベントを開催したビックカメラ有楽町店本館で、店長の石川勝芳氏に、iPodの販売状況と店内での取り組みについて伺った。

■コラム

台頭するスーパーインフルエンサー--Universal McCann調査より台頭するスーパーインフルエンサー--Universal McCann調査より
Universal McCannが調査報告で論じた「新たなスーパーインフルエンサー」の台頭。ここでは、インターネットだけでなく実世界でも大きな影響を及ぼすスーパーインフルエンサーについて検証する。
松下からパナソニックへ--第2の創業で3年ぶり安値から切り返すか松下からパナソニックへ--第2の創業で3年ぶり安値から切り返すか
創業90周年を期して“第二の創業”と位置づけている松下電器産業は10月1日に社名を「パナソニック」に変更するが、株価は3年ぶりの安値水準に沈んでいる。
メディア化するポータルが瀕死の雑誌を飲み込もうとしているメディア化するポータルが瀕死の雑誌を飲み込もうとしている
雑誌を発行する出版社は、崩壊しつつあるビジネスモデルの再生を電子媒体に求める。電子雑誌のビジネスモデルの根幹はコンテンツの内容と広告モデル、そしてコンテンツの内容に基づく他のビジネスへの広がりをどのように築くことができるかだ。

企画特集

エンタメCGM「gooメーカー☆メーカー」エンタメCGM「gooメーカー☆メーカー」
【第1回】開発者に訊く!各機能と開発の狙いとは
KDDI「SaaSソリューション」KDDI「SaaSソリューション」
〜社内コミュニケーションの課題への解決策とは〜

ブログネットワーク

アルファブロガー

村上敬亮 情報産業の未来図ネットワーク型産業構造への衣替え?
村上敬亮 情報産業の未来図
クロサカタツヤの情報通信インサイトグッバイ、レバレッジ!(1)
クロサカタツヤの情報通信インサイト
末吉隆彦 ロケーションウェアの「空」と「実」9月イベントお知らせ
末吉隆彦 ロケーションウェアの「空」と「実」
ケータイ時代のスタンダードiPhonista Nightの事後報告
ケータイ時代のスタンダード
江島健太郎 / Kenn's Clairvoyance新サービスをローンチしました
江島健太郎 / Kenn's Clairvoyance
鈴木健の天命反転生活日記パラレルワールドとしての電脳コイル
鈴木健の天命反転生活日記

読者ブロガー

ネットのニュース.logiPhone2.2では、絵文字に対応?
ネットのニュース.log
それでも開発は続くよすでに土砂降りのIT業界
それでも開発は続くよ
オープンソースJoomla CMSCMSでのSEO対策効果を実験している
オープンソースJoomla CMS
電子政府パブリックコメントの抜粋平成 14 年の、医療体制に関する意見募集を偶然発見
電子政府パブリックコメントの抜粋
レンタルサーバの裏事情割賦販売制度の副産物
レンタルサーバの裏事情
Windowsラブなただの主婦XPへのダウングレード権がさらに延長
Windowsラブなただの主婦

リサーチ

■リサーチコラム

薬事法規制の厳しい健康食品に代わり、増え続ける化粧品メーカー
薬事法規制が厳しくなる今、特に規制が厳しい健康食品にかわって化粧品を販売しようとする企業が増えている。そこで、覚えておきたい化粧品と薬事法の関係について簡単にまとめた。
携帯電話の待ち受けに関する調査--最も利用される画面は「自分で撮影した写真」
携帯電話の待ち受け画面に関する調査を実施したところ、10・20代は飽きやすく待ち受け画面を頻繁に変更する傾向にあり、30・40代は季節感や臨場感を重視することが明らかとなった。
電子マネーによるライフスタイルの変化に関する調査--電子マネーコアユーザーは、高所得者層
電子マネーによるライフスタイルの変化に関する調査したところ、電子マネーを活用するのは高所得者層に多く見られた。また、1度に1万円以上チャージするユーザーは10%強であることも明らかになった。

■調査レポートダウンロード

中小企業における情報セキュリティ対策の問題点とその解決策としてのUTM
NECソフトアンケートレポート 次世代ネットワークNGNに期待することは?

■調査発表

半導体光増幅器の世界市場予測と分析 2007-2012年
人気の広告は何?オンライン広告.com、先週の人気オンライン広告ランキングを発表
調査結果「制汗デオドラントの利用シーン、『出勤・外出時』」が6割半」

イベント情報

コンプライアンス基礎講座(標準編)
主催:あずさビジネススクール株式会社
申告書作成のための税務実務
主催:あずさビジネススクール株式会社
申告書作成のための税務実務
主催:あずさビジネススクール株式会社

CNET Japan セレクション

ココが変わった、新型「ニンテンドーDSi」--「ニンテンドーDS Lite」と比較
任天堂が11月1日に発売する新型ゲーム機「ニンテンドーDSi」はどんな点が新しいのか。既存のニンテンドーDS Liteと比較するとともに、新機能を紹介する。
フォトレポート:本体が分離するNTTドコモの「セパレートケータイ」の謎に迫る
NTTドコモは家電展示会「CEATEC JAPAN 2008」において、端末が2つに分離できる携帯電話「セパレートケータイ」を展示している。どのような仕組みなのか、何ができるのかを、写真で紹介する。
話題のスマートフォン、写真で見るBlackBerry Bold
RIM製スマートフォン「BlackBerry」の新モデル「BlackBerry Bold」を2008年度第4四半期にも発売すると発表したNTTドコモ。話題のBlackBerry Boldを写真で紹介する。
こんなものもありました--CEATECで見つけたオモシロ新技術たち
幕張メッセで開催されている展示会「CEATEC JAPAN 2008」では、幅広い分野の最新技術が一堂に会している。ここではその中でもユニークな新技術や展示を紹介する。
「iPhone 2.2」アップデートの概要が明らかに--App Storeのインターフェースなど変更
アップルは、新たな「iPhone 2.2」アップデートのリリースに向けて準備を進めている。Safariに加え、App Storeのインターフェース変更などが予定されている。
ケータイはまだまだ進化する--CEATECで見た未来の技術
幕張メッセで開催されているデジタル家電の展示会「CEATEC JAPAN 2008」では、携帯電話関連の新技術が数多く展示されている。その様子を写真で紹介する。

今日の見どころ

こんなものもありました--CEATECで見つけたオモシロ新技術たち

ケータイはまだまだ進化する--CEATECで見た未来の技術

まるで「宇宙ケータイ」--太陽電池で発電する、au端末のコンセプトモデル

レビュー

[レビュー]2011年画質を備えた高画質、多機能Blu-ray--ソニー「BDZ-X95」
ソニーのBlu-ray Discレコーダー新製品が登場した。2007年から引き継がれる「やりたいことから選ぶ」シリー
今週の新製品総チェック:よりモバイルPCとして進化した「Let's note」が登場
松下電器産業の「Let's note」、デルのデスクトップPCとPC新製品が数多く登場した。Let's noteは9時間駆動
今週の新製品総チェック:フルサイズCMOS搭載のキヤノン「EOS 5D Mark II」が登場
キヤノンからもフルサイズCMOSセンサを搭載した「EOS 5D Mark II」が登場した。合わせてコンパクトデジカメ
今週の新製品総チェック:第4世代iPod nano登場、ソニー「α」、松下「LUMIX」に新機種も
デザインを一新したiPod nano、容量増されたiPod touchなど、新iPodファミリーが登場した。その後を追うよ

CNET_ID

メンバー限定サービスをご利用いただく場合、このページの上部からログイン、またはCNET_ID登録(無料)をしてください。