Steve Ballmerは20年以上にわたり、Microsoftのトップ・セールスマンとして、自社製品の宣伝に奔走してきた。同氏の武器は人並みはずれた情熱、粗野なまでの率直さ、そして豊富な市場知識だ。
そのトンガリ具合は今も健在だ。Ballmerはフロリダ州オーランドで開催されたTechED会議で、CNET News.comの取材に応じたが、テーブルをどんどん叩きながら、自分の主張を大仰に語るその姿は、これまでとまったく変わっていない。20年の間に変わったものがあるとするなら、それは同社のCEOと営業部隊がメッセージを伝える方法だろう。
現在、Microsoftの幹部は製品の処理速度や新機能、出荷日に関する情報を次々と繰り出すことよりも、ITコストを削減する方法や、テクノロジーを使って、従業員の生産性を上げる方法を語ることに時間をかけるようになっている。
これは大きな変化だ。一方、顧客は数年前と比べて、ソフトウェアの買い換えをしぶるようになっている。顧客の関心は、支出を抑え、すでにあるインフラを有効活用することに移っている。
--あなたは今朝の講演で、ITの仕事には将来性があり、業界はふたたび、ITに強い関心を持つようになっていると述べました。なぜ、このような発言をしたのですか。社員やベンダーが自信を失っていると考えているのですか。
マスコミがやれ予算が減ったとか、やれアウトソースが進行中だとか、そういったことを書き立てているからです。誰かが立ち上がって、未来は明るいといわなければなりません。サングラスが必要なほど、未来は輝いているとね! 私はあまり気にしていませんが、巷にはITが行き詰まっているとか、IT予算がカットされたとかいった記事があふれています。アウトソースに関する記事も多い。しかし、キャリアという意味でいえば、米国のIT業界で働くことは正しい選択です。ご存じの通り、コンピュータサイエンスを専攻する学生は減少傾向にあります・・・では誰が先頭に立って、IT分野の将来性を訴えるべきなのでしょうか。それは、この業界で働いている人々にほかなりません。
現在、この業界で働いている人々が、自分のキャリアに満足していないとすれば、それはわれわれにとっても、業界にとっても不幸なことです。それは未来の卒業生にとっても、不幸なことでしょう。私が壇上でチアリーダーのまねごとをするのをおかしいという人もいるかもしれません。しかし、こうした講演は、これからも多数の技術革新が起きる可能性があることを伝える良い機会なのです。
--この数ヶ月で、企業のIT支出は回復したのでしょうか。
業界は目覚ましい勢いで復活しつつあります。私は現実主義者です。支出は徐々に増えるものであり、急激に増えるものではありません。投資とはそういうものです。投資にはコストと利益があり、この2つは相互を正当化するものでなければなりません。過去には、プロジェクトの正当性がほとんど問われなかった時期もありました。その後、新規のプロジェクトが、私の意見では、十分な投資を得ることのできない時期が続きました。そして今、われわれはふたたび、健全なカーブに戻って来ています。投資家は健全なコストプロファイルと収益モデルを備えた健全な投資に資金を提供し、ばかげた案件は無視するようになっています。これ以上の何が必要でしょうか。企業やユーザーコミュニティに無条件の楽観主義が広がることは、業界の利益にならないはずです。
--Windows 95の登場から10年がたとうとしています。Microsoftの歴史を振り返っても、Windows 95のデビューほど、市場を沸かせたものはなかったということですが、LonghornはWindows 95に匹敵する興奮を巻き起こすことができると思いますか。
LonghornはWindows 95以来の大型リリースになるでしょう。発売時には大変な騒ぎが起きると思いますが、Longhornを買おうと、ユーザーが徹夜で並ぶようなことはないでしょう。しかし、Longhornがすばらしい製品であることに変わりはありません。Win95を除けば、これはわれわれが生み出した最も重要な製品となるはずです。
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