--この1年の特筆すべき出来事といえばBlogの広がりです。Blogの成長ぶりには、あなたも驚いたのでは。
Blogの拡大を示す数字のなかでも特に印象的なのは、MSN Messengerと連携した「MSN Spaces」サービスを使ってBlogを立ち上げた人が100万人近くに上ったというものです。これには本当に驚きました。
しかし、Blog関係の統計は慎重に読まなければなりません。「途中でやめてしまった」とか、「立ち上げてはみたもののアクセスがない」といった例も多く、減衰率はかなり高いからです。しかし、RSSの進化や付加価値の高い検索機能の登場により、Blogは着実に成熟しつつあります。
われわれは日本と韓国で、試験的にユニークなBlogサービスを開始しました。Spacesそのものは世界市場を対象とした大規模な取り組みです。基本的には電子メールをベースとしていますので、電子メールの世界にBlog機能を組み入れる形になります--次世代のOutlookでは、これが実現されるでしょう。コラボレーションを促進するOfficeプラットフォームである「SharePoint」への統合も進める必要があります。先ほども申し上げた通り、SpacesはMSNの一部なので、「写真関係はこのコミュニティ、ソーシャルネットワーキングはあのコミュニティ・・・」といった風に切り分けて考える必要はありません。すでに友だちリストが登録されているMessengerを使って、写真からソーシャルネットワーキングまで、あらゆるものを共通のインターフェースで楽しめるようになるのです。
--よく読むBlogがあれば教えてください。
おもしろいことに、Blogに限らず、私の場合は常に誰かが情報を転送してくれます。人力検索エンジンとでもいうのでしょうか、「すごくおもしろいものがあるぞ」と周りが教えてくれるのです。
キーワードを並べて、検索してみることもあります。当社のイントラネットにはさまざまなBlogが立ち上がっていて、大勢の社員がさまざまなテーマについて、自由に書きつづっています。
私もBlogをやろうと思ったことはあるのですが、一度始めたことを途中で投げ出すような真似はしたくありません。最近は月に1回、あるいは6週間に1回くらいなら続けられるかもしれないと思っています。その気はあるのですが、少なくとも1年は続けられる確信が持てないと。そのくらいは続けないと、やる意味がありませんからね。
--音楽など、サードパーティ製コンテンツの販売を強化する予定はありますか。それとも、こうしたことには今後も力を入れるつもりはないのでしょうか。
以前もお話しした通り、音楽プラットフォームを所有することは、われわれがインターネット上で構築したいと考えている顧客との関係の一部でしかありません。
オンライン音楽販売そのものが大きな収益源になることはないでしょう。音楽ストアは今後どんどん増えていくからです。では、シンプルにするという意味ではどうか。われわれはすべてのデバイスで動作すること、すべての音楽ストアと連携することが重要だと考えています。Windowsエコシステムが提供するのは、こうした多様性です。
AppleはAppleのやり方で物事に取り組んでいます--Appleのハードウェア、Appleのストアといった具合に。一方、われわれはWindowsのやり方で物事に取り組んでいます。たとえば、デジタル音楽プレイヤー「Creative Zen Micro」はWindowsエコシステムの一員です。年末商戦で品切れが出るほどの人気を博したこのデバイスは、写真機能も搭載し、価格も非常に魅力的です。このように、われわれは多様性を重視しています。Zen Microは当社の著作権管理フォーマットを使用しているほか、音楽配信にはわれわれがオンライン音楽販売の相当部分を占めることになると考えているサブスクリプション方式を採用しています。
--これまでのAppleの成功をどう思いますか。AppleがiPodをヒットさせたことは間違いないと思うのですが。
その通りです。Appleは過去にも「Apple II」「Macintosh」というヒット商品を世に送り出しました。そして、今度は「iPod」です。つまり、Appleは3度もヒットを生み出したわけですが、これは大変なことです。ヒット商品が3つもない会社は星の数ほどありますからね。MacintoshがGUI(graphical user interface)を広めたように、iPodはデジタル音楽の浸透に大きく貢献しています。
長期的にみれば、いずれは多くの企業がデジタル音楽プレイヤーを生産するようになるでしょう。企業の数が増えれば、市場シェアも大きく変わるはずです。そして、これらのプレイヤーメーカーはみな、Windowsの「Plays For Sureプログラム(Windows Mediaをサポートする製品やサービスの幅広さを消費者にアピールするために、Microsoftが取り組んでいるプログラム)」に参加することになるでしょう。ただ1社、Appleを除いては。
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