最終更新時刻:2008年10月8日(水) 18時36分

検索を軸にファイナンス2.0を制するSBIホールディングス

取材:別井貴志(編集部)、島田昇(編集部)、文:小林ミノル

2007/04/19 21:33  

 「第2の創業」「ファイナンス2.0」などの標語を掲げ、Web 2.0時代に見合った総合金融事業を模索しているSBIホールディングス。ノルウェーの検索技術開発会社Fast Search & Transfer(Fast)と組み、証券会社によるネット市場での夜間取引などに使われる「PTS」(私設金融取引システム)にも乗り出している。Web 2.0時代を強く意識し、次世代の金融インフラは革新的な検索エンジンが重要になると語る同社CEOの北尾吉孝氏に話を聞いた。

──SBIグループは、「第2の創業」「ファイナンス2.0」と銘打って、金融、検索技術を基盤にした新しい金融サービスの開発に取り組むことを宣言しています。具体的にはどのような方向に金融界を変革されようとしているのですか。

北尾氏:世の中「Web 2.0」と大騒ぎしているけれど、本当に理解している人はいないんじゃないかなと思ってるんです。

 やれ「ブログだ」、「SNSだ」と言うけれど、それだけなら、特に企業に大きなインパクトを与えられません。もちろんクチコミを通じて、商品の売れる売れないを判断したり、売れるような仕組みをつくることはできる。しかし、本当の意味で世界を切り開いていくような話がまだ出てきていません。

──北尾さんがソフトバンクグループに入られたとき「インターネットともっとも親和性(データの流通という意味において)が高いのはお金だ」とおっしゃられていました。だからこそ「インターネットを使ったファイナンスサービスをやっていく」ということだったと思うんですが、当時と今では何が違いますか。

北尾氏:第一世代の金融革命で、金融の世界にインターネットという爆発的な価格破壊力がある武器が持ち込まれたんです。当時ネットは、顧客を創出するための、あるいは囲い込むための武器だったんです。

 ところが、第二世代ではインターネットが武器以上のものになるんですよ。当時参入したネット証券会社は、まだ「証券会社」でしかなかった。ところがいまでは、金融業者ではない人たちが、好むと好まざると関わらずに金融事業へ乗り出さざるをえなくなっている。だから登場人物ががらっと変わってきています。「Second Life」は、まさに仮想空間のなかで、事業を起こしたり投資をしたり事業をしたり、金儲けをしているわけです。それがWeb 2.0以降の世界です。

 では、そういった仮想空間と現実世界を、通貨のエクスチェンジレートでつなげたらどうなるのか。言語さえ共通なら、仮想空間はグローバル化します。いままで隔離された別個の存在だった金融が、日常生活の一部になるのです。

 「2010年の金融」(東洋経済新報社)という野村総研のレポートは、「近い将来、ファイナンスが『消える金融』と『創る金融』に変化していくだろう」と分析していますが、これは正しい見方だと思います。金融が生活の中にどっぷり溶け込んで、金融として意識されなくなると同時に、金融業者がサービスを投資家や顧客と一緒に開発するようになる。Alvin Toffler的にいえば、プロデューサーとコンシューマーが一緒になるプロシューマーの世界です。そして、そこでは検索機能がすべてのインフラになるだろうと。

──そのための第一歩として、「SBI Robo」(旧ソフトバンクRobo)を、ソフトバンクから移してSBIの子会社とし、Fastと組んだというわけですね。

北尾氏:検索エンジンも、Googleで進化が完了したわけではなくて、まだまだいろいろな分野で進化していくと思うんです。僕が知る限りにおいて、金融分野では、Fastがいちばん革新的で次の世代を志向していると考えたから、組もうと思ったわけです。人によって評価は違うでしょうが、FastにはGoogleを越える新しい何かがあると考えてます。

──たしかにFastは、新しい取り組みをはじめており、英国のFinancial Timesと協力して実績を出してますね。

北尾氏:そのほかにもインターネット総合研究所(IRI)やSecond Lifeを手がけるLinden labも次の世代を志向していると思います。Linden Labには、提携話を持ちかけたんだけれど、向こうは自分たちで海外展開は考えると。別に彼らと組まなくても構わないですが、今でも引き続きコミュニケーションはとっています。

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