市場の原則を適用すれば、たいていのことはうまくいくものです。たとえば、(Bill and Melinda Gates財団の)国際健康プログラムでは、マラリア薬を求めている人が、そうした薬を買うことができないという現実に取り組んでいます。非常に難しい問題ですが「大手製薬会社と大学のスキルをうまく統合して、営利企業が行うような市場の原理を利用した製品マーケティングを行い、かつ営利企業が普通は重視しないような問題に適用するためにはどうすればいいのか」という発想で取り組んでいます。
われわれの財団はこうしたモデルを次々と開発しています。財団のパートナーも、新しい方法で物事に取り組んでいます。たとえば、このマラリアワクチンプログラムのパートナーであるOne World HealthとGlaxoSmithKlineは、普段のビジネスとはまったく異なる姿勢でプロジェクトに取り組むと共に、最高の人材を拠出することに同意しています。われわれはこのことにとても満足しています。
ここにはさまざまな問題があります。ひとつはUNIXが何十年もの間、サーバ市場でシェアを確保してきたこと、常に多くのバリエーションが存在したことです。一口にLinuxといっても、さまざまなバージョンがあります。しかし概して言えば、サーバへの普及度ではLinuxはWindowsの足元にも及びません。とはいえ、Linuxは無視できない数のマシンに搭載されるようになっているため、新しい種類の相互運用性が求められています。
相互運用性の面では大きな進展がありました。仮想マシンを利用して、相互運用性を実現できるようになったのです。Linux用のアプリケーションとWindows用のアプリケーションが混在していても、仮想マシンを使えば、リソースを必要としているもの、作業を終えたもの、リスタートが必要なものを管理することができます。
また、Novellとの提携により、商用ソフトウェアでは与えられるが、それ以外ではまず与えられないもの--つまり、「補償」を提供できるようになりました。これはすべてのWindowsユーザーが享受しているものです。このように、この分野ではいくつかの先駆的な試みを行っています。
オープンソースとフリーソフトウェアは区別して考える必要があると思います。フリーソフトウェアは商用ソフトウェアと同じくらい、ソフトウェアの世界で重要な役割を果たしてきました。
ご存じの通り、BSD Unixは無料で配布されていました。多くの新興企業がこれを取り入れ、拡張しました。SendMailは従業員を雇い、雇用を創出し、税金をおさめました。フリーソフトウェアはすばらしいものであり、活用できるならぜひ、そうするべきです。
サポート、拡張性、長期的な信頼関係の点で、商用ソフトウェアを好む人もいます。Windows PCの普及により、商用ソフトウェアは薄利多売型の産業となりました。それがメインフレームとの違いです。
商用ソフトウェアを選択する人はたくさんいます。ソフトウェアメーカーは税金を支払い、雇用を創出します。政府は税を受け取り、大学に還元します。そして、さらに多くのフリーソフトウェアが作られます。この見事な(好)循環を、私はとても気に入っています。
ところが、一部の人たちが公的資金を活用して作られたものを新規の事業に使うことはできないと主張し、この循環を断ち切ろうとしています。あなたのコードと彼らのコードに重なる部分がある時は、そのライセンスを供与することはできません。
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