10年ほど前、「今はポストPC時代だ」というようなことを言った人がいるのを覚えています。私はそれに対して「それは、面白いですね。ポストPC時代とはどのような時代ですか。それは何を意味するのでしょう」と答えました。
その後、PCの販売台数は増加の一途をたどり、2006年は、世界中で約2億4000万台の販売台数が見込まれています。今後、あらゆる種類のマシンが登場するでしょうが、PCが適応および進化する能力には驚くべきものがあって、既に従来の標準的なPCだけではなくなっています。形やサイズは多岐に渡り、ワ―クステーションとモバイル、大型と小型、マルチプロセッサとシングルプロセッサ、ハンドヘルドデバイスなど、ありとあらゆる形態のPCが登場しています。
ハードウェアを支える基本技術の進歩もまったく衰えを見せていないため、ハードウェアもすさまじいスピードで進化しています。ユーザーインターフェースも、今より簡単化、小型化の方向に、まだまだ改良されていくと思います。
パソコン業界は、成長および変化(の速度)という点でまだ初期段階にあると思います。高速ブロードバンド接続、光ファイバ、高速無線通信などの普及もまだまだこれからです。これらが実現すれば、さまざまな場所から、さまざまなアクセスメディアを介して、パソコンを利用できるようになります。もちろん、PCは既に、製造、娯楽、教育、医療などの分野で欠かせない存在になっています。
第一に、基盤技術、つまり半導体技術の飛躍的進歩があります。おかげで、より多くのトランジスタをより小さく安価なパッケージとして提供できるようになり、消費電力が大幅に軽減され集積度およびスケーラビリティが大幅に向上しました。結果として、プロセッサの処理能力、グラフィックのパフォーマンス、I/Oの処理速度、ネットワーク、帯域幅など、システム全体にわたってあらゆる機能が極めて短期間で向上しました。こうした基盤技術は、今日のPCの実現に欠かせない重要な役割を果たしました。
次に、エコシステム効果ともいえる要因があります。つまり、IBMのPC戦略とIntel、Microsoftの連携によって実現された業界環境です。このエコシステムは、文字通り、数万社におよぶ企業と数十億というユーザーによって形成されています。Dellは世界中に2億台を超えるPCを販売しており、2006年度の販売台数も4千万台に達しています。ユーザーと関連企業の協調によって形成されたエコシステムは、極めて大きな影響力を持ち、単なる1企業ではとても実現できないことを実現できます。
もちろん、われわれは、PCをより求めやすい価格で提供し、技術変化を促し、新しい技術が登場してから実際に利用できるまでの期間の短縮に貢献してきました。そして、業界全体のサプライチェーンの効率化をはかり、コストダウンを促進して、市場の拡大を実現しました。
DellのハイエンドワークステーションDell Precision 690を使用しています。このマシンは2つのソケットを装備しており、デュアルコアWoodcrest(Xeon 5100プロセッサ)を搭載しています。メモリは64Gバイト搭載可能ですが、32Gバイトしか搭載していません。
30インチのモニタを2台つなげて、820万ピクセルの解像度で表示しています。なかなか快適ですよ。自宅に光ファイバを引くことができたので、インターネットには光でアクセスしています。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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