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マネーフォワード、2016年は“未来のお金”の課題解決--辻社長インタビュー

2016/01/25 14:08
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 シェアリングエコノミーやIoTと並んで、今後の成長が期待されているのが、金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた「Fintech(フィンテック)」領域。2015年には数多くのFinTechサービスが注目を集めたが、その中でも、他社を寄せつけないスピードで、次々と大手金融機関と資本・業務提携を結び、新サービス・新機能を発表するなど、高い存在感を示したのがマネーフォワードだ。

 同社では、個人向けの自動家計簿・資産管理サービス「マネーフォワード」と、法人向けのクラウドサービスである「MFクラウド」シリーズ(会計・確定申告、請求書、給与計算、消込、マイナンバー管理、経費)を提供している。2015年の各事業の手応えと今後の展望を、マネーフォワード代表取締役社長CEOの辻庸介氏に聞いた。

マネーフォワード代表取締役社長CEOの辻庸介氏
マネーフォワード代表取締役社長CEOの辻庸介氏

--2015年はマネーフォワードにとって、どのような1年だったのでしょう。

 2つの大きなサービスである、個人向けのパーソナルファイナンスマネジメント(PFM)と、中小企業・会計事務所・個人事業主向けのクラウドシリーズが軌道に乗った、広くマーケットに受け入れられた1年だったと感じています。

 自動家計簿サービスのマネーフォワードはテレビCMも放映しており、現在約320万人以上が登録しています。一般消費者がスマートフォンで自分の資産や家計を管理するようになっており、非常に受け入れてもらえたなと感じています。一方、中小企業向けのMFクラウドシリーズは2年前に会計サービスを出して、2015年には請求書、給与計算、消込、マイナンバー管理などのサービスをリリースしました。2016年の1月には経費精算にも対応するなど、サービスラインアップはかなり拡充できました。

家計簿アプリ・クラウド家計簿ソフト「マネーフォワード」
家計簿アプリ・クラウド家計簿ソフト「マネーフォワード」

 会計サービスは、これまでに約1900の会計事務所にご利用いただいていて、ユーザー数も40万を超えました。全国の各地域で1位、2位の名だたる会計事務所に採用されていて、「中小企業向けの会計クラウドサービスの中で、MFクラウドが一番いいね」と言っていただいているので、結果が出た1年だったなと思います。

--数多くのサービスがある中で、MFクラウドが選ばれている1番の理由は何だと考えますか。

 1つは会計事務所の業務の効率が圧倒的に上がることです。従来の作業が自動化されることで、たとえば1担当につき20顧問だったのが、40顧問まで担当できるようになります。システム自体も数千円と安いので、会計事務所の投資コストを下げることができます。また、アプリで数値を確認できるなど、会計事務所が顧問先に対して付加価値を提供できる点も評価していただいています。

「MFクラウド会計・確定申告」
「MFクラウド会計・確定申告」

 クラウド請求書サービスで2015年に追加したクレジットカード決済の機能も喜ばれています。たとえば、請求書による入金は翌々月であることが一般的ですが、我々はクレジットカードを登録しておくと2日後に入金される「即時入金サービス」を提供しています。中小企業の悩みとして、貸し倒れなどのリスクがありますが、回収をクレジットカード会社が代行してくれるので、自分たちでやらなくていい。さらに資金も2日後に入金される。そういうお金の流れを変えるサービスを作れたことは大きいですね。

 そして、一番大きな取り組みはオープンAPIです。NTTデータの「豊洲の港から」のイベントで優勝して、2015年に住信SBIネット銀行と日本初のAPIをリリースしました。さらに銀行向けのアプリ(PFM)も提供したのですが、まさか僕らがそういったアプリを手がけることになるとは思いもしませんでした。ただ、これからの金融ビジネスにとってAPIの公開は必須になると思います。

--改めて、マネーフォワードが金融機関と組む意義を教えて下さい。また、各社との取り組みの進捗は。

 これまでに、SBIホールディングスや静岡銀行、山口フィナンシャルグループ、東邦銀行などに出資・提携していただきました。こんな設立して3年半のベンチャー企業と、こうした名だたる地銀やネット銀行が提携してくれたことに正直驚いています。

 これが実現した背景には、FinTechというテクノロジで金融サービスが大きく変わるという意識が皆さんにあったからだと思います。たとえば、住信SBIネット銀行とは自動家計簿サービスのマネーフォワードを同社向けにカスタマイズしたアプリをリリースして、順調にユーザー数が伸びています。地銀の皆さんとは、創業支援の側面で地域活性化に向けた取り組みも進めたいと思っています。

--個人・法人向けのサービスを、今後はどのように成長させたいと思っていますか。

 個人向け(マネーフォワード)でいうと、ユーザーが自分の過去と現在のお金を自動で管理できる便利さは提供できていると思います。ただ、僕らが起業して元々やりたかったことは、未来のお金の課題をなくしたり改善したりすることなんです。たとえば、マネーフォワードを使っていれば、住宅ローンや保険などの老後の課題に対して、最適なものを教えてくれるイメージです。そういう思いで「お金のデザイン」にも出資したのですが、2016年は未来のお金の課題解決がコンセプトですね。

 一方で、MFクラウドは、会計やマイナンバー管理、経費などのサービスをさらに伸ばすことで、全国の中小企業の経営者や管理部門の仕事を圧倒的に楽にする。何ならボタン1つでそうした作業が完了してしまうような世界観を作りたいです。弊社には金融機関出身者が多いので、僕らにできることも多いと思っていて、金融サービスならではの決済や融資などの機能を加えていきたいと思っています。将来的には、こちらも業務の域を超えてお金の流れを改善していきたいですね。

--家計簿から交通費、投資まで、さまざまな分野で「FinTech」サービスが生まれています。

 FinTechには規制産業と非規制産業という大きく2つの分野があって、最近は規制産業の方にもいろいろなプレーヤーが出てきているので、面白くなってきたなと思います。金融は基本的には数字なのでテクノロジと相性がよく、ブロックチェーンのような技術も生まれているので、今後大きく変わっていくと思いますが、まだまだ始まったばかりですね。たとえば、iPhoneはボタン1つで複雑なコンピュータを誰でも簡単に使えるようにしました。こういうものをFinTechのサービスでも作りたいと思っています。

 すでに米国や欧州、中国ではいろいろなサービスが出てきていて、日本はこれ以上遅れをとるわけにはいきません。既存の金融機関や省庁、ベンチャーやVCが一体となった新しい金融のエコシステムを作っていかないといけないでしょう。このFinTechが盛り上がっているタイミングで、どれだけいいサービスを作れるかだと思いますね。

--海外と比べて、日本では金融にテクノロジを活用することに対して抵抗がある人が多いように感じます。

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