続いて本製品のハードウェア性能についても見ていこう。このDS916+は同社のDiskStationブランドのNASの中ではスペックも突出しており、まさにプロ仕様の製品と言っていい。具体的に紹介していこう。
まずCPUは、クアッドコアのIntel Pentium N3710を採用。今年になって発売された同社の同じく4ベイモデル「DS416」や、コンシューマー向けの売れ筋である「DS216j」がデュアルコアであるのに比べると、並列処理性能の強化に重きを置いていることが分かる。またメモリは2Gバイトと8Gバイトのモデルが用意されるなど、他社を含めた現行製品に多く見られるメモリ搭載量1Gバイトや500Mバイトの製品とは一線を画している。
メモリの多さは同時読み書き時のパフォーマンス向上に直結するが、本製品では2基のGigabit LANポートを束ねて通信を行うリンクアグリゲーションもサポートしているので、複数のクライアントから同時に読み書きを行う場合にも帯域に余裕をもたせることができる。それゆえ利用者が数人程度のSOHO環境にとどまらず、十数人~数十人が同時アクセスしうるオフィスでの利用にも耐えられる。
また本製品はハードウェア暗号化エンジン(AES-NI)を搭載しており、暗号化をオンにした状態でもパフォーマンスへの影響を最小限に抑えることができる。同社が公開しているテストデータを見ると、リンクアグリゲーションがオンの状態で、ハードウェア暗号化エンジン非搭載の「DS416slim」はリード194.21MB/s、ライト77.91MB/sなのが、暗号化オンではリード86.81MB/s、ライト44.55MB/sと速度は半減する。しかし本製品ではリード225.91MB/s、ライト221.04MB/sが暗号化オンでもリード225.83MB/s、ライト209.35MB/sと、暗号化による速度の違いはほとんどみられない。法人向けのNASでは欠かせないデータ暗号化が、意識することなく利用できるのは大きな利点だ。
このほか、一般的には2基であることが多いUSB 3.0ポートが3基搭載しているのも特徴だ。これにより、後述するバックアップのためにディスクを増設するにあたっても、自由度の高い接続が可能だ。あらゆる面で高い拡張性をもたせた設計に、本製品のコンセプトを見て取ることができる。
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