楽天が自社でサービスを開発していることを知っていましたか?
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2007年09月25日 〜 2007年11月19日
楽天が今年、10周年を迎える。オンラインショッピングを日本に根付かせ、今なおITベンチャーのトップランナーである楽天。サービス拡充やプロ野球参入などのニュースが華々しく報じられ、代表取締役会長兼社長である三木谷氏の言葉がメディアを彩ってきた。だが一方で、同社の事業を支えてきた技術者がクローズアップされることはなかった。本連載では、これまでヴェールに包まれ、3500万ユーザーが利用するサービスを寡黙に作り上げてきた楽天のテクノロジストたちが同社の技術力を語る。知られざる楽天の技術開発とは、どのようなものなのだろうか。
第1回目となる今回、話を伺ったのは、同社取締役 常務執行役員である安武弘晃氏。同社を創業時から支えてきた安武氏にとっての楽天の技術とは。
――今年は楽天の創業10周年ですが、楽天にとって、また安武様にとってこの10年間は、どのような10年だったのでしょうか。
会社としても、テクノロジーとして見ても、がむしゃらに頑張ってきた10年間だったと思います。「がむしゃらにやってきた」と言っても、10年前のインターネットビジネスのシーンを思い出していただければ分かると思いますが、きちんとした要件や仕様書があり、それをエンジニアが形にする、という分業体制ではありませんでした。自分たちで手を動かし、サービスの姿を考えながら形にしていくという作業を全社でやってきた10年間だったと言えると思います。
起業当時はインターネットビジネスの世界は立ち上がったばかりで、手本になるサービスはなく、自分たちで考え、自分たちで作らなければなかったのです。たとえば、オークションのシステムを作ったとき、三木谷に「オークションのサービスって面白いよね、ちょっと作ってみない?」と言われて、2ヶ月弱で作ったことがあります(笑)。
このときも、まだ日本国内でインターネットオークションのサービスは始まっておらず、日本人の持っていたオークションのイメージとは、サザビーズやクリスティーズなどの高級美術品のオークションのイメージだったと思います。まずそれらの仕組みを勉強し、高級品のオークションとは縁遠い一般のユーザーさんが使える仕組みを手探りで作る必要がありました。こういう作業の過程では、「企画」と「ものを作る」ということ、そして技術が一体になっているんですよ。
――なるほど。そして当時はすべてが手探りだったわけですね。
ええ。eコマースビジネスにおいても、私たちと同じ路線でビジネスを展開するコンペティターも少なく、自分たちで試行錯誤してサービスやシステムを構築する必要がありました。ですから、技術的な面から見ると、あるテクノロジーがあってそれをどう使うかではなく、自分たちのやりたいことがまずあって、それをどう実現するか、最適なものを作るにはどのようなテクノロジーを使えばいいのか、という観点で採用してきました。
そういう意味では、現在利用しているテクノロジーはすべてその必要性や効果を検証して採用していると言えるでしょうね。
また、「インターネットでこんなものが売れるのだろうか?」などと思っていたものが、予想を越えて売れるということを何度も経験しました。今でこそこうした現象をぴったり表現している「ロングテール」などの言葉があるので何が起こっていたのかが分かりますが、当時は「なんか凄いことになっているぞ」という感じでした。
今になって考えれば、ユーザーのニーズを探り出し、それを提供できる人を検索し、結びつける場所を提供できた、ということなのでしょう。「ロングテール」という言葉が誕生する以前から、私たちはロングテールの掘り起こしを行っていたのでしょうね。
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