「Evernote」とも連携でき、デジタルデータの活用の幅をこれまで以上に広げてくれる、ひときわユニークなアイテムがNTT西日本から登場した。コンパクトな筐体に2基のUSBポートを備えたデバイスサーバー「N-TRANSFER」がそれだ。本製品があれば、「Evernote」などの「クラウドサービス」が提供するサーバーへのデータアップロードをPCを用いずにできるほか、遠隔地との様々なデータのやりとりも容易になる。「N-TRANSFER」の主な機能を見ていこう。
最初に紹介するのは「クラウドトランスファー機能」だ。これは本製品につないだ「ScanSnap」や「カラリオ」などのスキャナー対応機器※1から、PCを経由せずに直接「Evernote」などのクラウドサービスにデータをアップロードできる機能だ。新聞・雑誌の切り抜きや折り込みチラシ、名刺などさまざまな書類を給紙トレイにセットしてスキャンを実行し、アップロードが完了すれば、手元の「iPad」や「iPhone」をはじめとしたスマートフォン※2で、それらの書類データが参照できてしまうのである。
※1 対応している機種についてはこちらのHPをご確認下さい。(http://www.ntra.jp)
※2 Evernoteのご利用にはお使いのスマートフォンがwebブラウザもしくはクライアントソフトに対応している必要があります。クライアントソフトについては以下をご確認下さい。(http://www.evernote.com/about/intl/jp/download/)
この機能の最大のメリットは、PCを経由せず、「Evernote」にデータが送れることだ。PCの電源をオフにしていたり、時間のないときでも、スキャンした資料が「Evernote」に反映されるため、忙しいビジネスパーソンなどにもお勧めだ。取り込んだ書類データについては、「Evernote」の特長である便利な検索機能を利用できるので、すでに取り込まれている情報と合わせて、目的にあった情報をキーワードで探すのも容易だ。
※3 データは、クラウドサービス提供会社のサーバーに保存されます。
※4 USB対応機器は事前登録が必要です。使用できる機器には制限があります。最新のUSB機器についてはこちらをご参照下さい。
※5 携帯端末に関して
・携帯電話会社との契約・料金が別途必要です。
・携帯電話でご利用の場合は「フルブラウザ機能」が必要です。
・スマートフォンでのご利用はアプリケーションのインストールが必要になる場合があります。
・大容量の通信が発生するため、携帯電話会社の定額プランのご利用をお勧めします。
● USBメモリーを接続してクラウドサービスへデータをアップロードする場合、USBメモリーに含まれる全データがアップロードされます。
● クラウドサービス提供会社との契約・料金が必要です。(ご利用にはアカウント(無料または有料)の登録が必要です)
● インターネットと接続されたLAN環境もしくは、N-TRANSFER専用のインターネット接続回線が必要です。(フレッツ光は動作確認済みです)
● 著作権の目的となっている新聞、雑誌、書類等の著作物は、個人的またはこれらに準ずる限られた範囲内で使用することを目的とする場合を除いて、権利者に無断でスキャンすることは法律で禁じられています。また、スキャンして取り込んだデータは、私的使用の範囲内でご利用をいただきますようお願いいたします。
● アップロードしたデータの紛失・漏洩などに関してNTT西日本は一切責任を負いかねます。データのアップロードはお客様の自己責任で行ってください。
もうひとつは「データトランスファー機能」だ。これは「フレッツ光」などのインターネット接続サービスを通じて「N-TRANSFER」同士を1対1で直接接続し、データを転送※1できる機能だ。例えば本製品を自宅と実家に設置し、お互いの携帯端末を用いて送受信の設定※2をした後、デジカメの撮影データが記録されたメディアを自宅側の本製品のUSBポートに接続※3すれば、遠く離れた実家にある本製品につながれたUSBメモリーに、写真データを転送できるのである。また、デジタルビデオなどで撮影した映像データをSDメモリーカードなどに転送し、データ再生に対応しているテレビやハードディスクレコーダー※4を用いて大画面で鑑賞することも可能だ。
※1 一度に送受信できるファイルのサイズには制限があります。(約500MBまで)
※2 携帯電話やスマートフォン等でデータの送信・受信を指示する必要があります。
※3 メディアの種類に応じてUSBカードリーダー/ライターやアダプターが必要になります。
※4 対応機種や再生可能なファイルの形式については、お持ちのテレビもしくはハードディスクレコーダーのメーカーへお問い合わせ下さい。
また、データ転送は約500MBまで一度に送受信できるので、例えば、撮りためた写真データやCADデータ、印刷用のデータなど、大容量のデータを、数枚ずつメールに添付して送ったり、CD-ROMに焼いて郵送したり、ファイル転送サービスを利用するといった必要もない。データの送受信の設定には携帯端末を使うため、PCが利用できない方でもデータの送受信ができるのも大きな魅力だ。
● 初回利用時に接続するUSB機器の登録が必要です。
● データトランスファーでデータ転送する場合、送信側USBメモリーに含まれる全データが受信側へ送信されます。
● 同梱されているUSBメモリーをご利用いただくことも可能ですが、別途ご用意いただくことで、より便利にご利用いただけます。
● 送信・受信の両側で「N-TRANSFER」がインターネットと接続されたLAN環境もしくは、N-TRANSFER専用のインターネット接続回線が必要です。(フレッツ光は動作確認済みです)
● 使用できる機器には制限があります。最新のUSB機器についてはこちらをご参照下さい。
以上の2つが主な機能だが、そのほかにも、USBトランスファー機能というものがある。これは、プリンターや外付けハードディスクなどのUSB機器を「N-TRANSFER」に接続することで、LAN上の複数のPCでUSB機器を共有できるようになるものだ。
PCやデジカメ、ケータイなどの普及により、家庭における身の回りのさまざまなデータはデジタルで保管されることが多くなった。当初からデジタルデータとして作成されるメールや写真はもちろん、ビデオや音楽などのマルチメディアデータも、デジタル化が当たり前となりつつある。またスキャナを用いた紙書類のデジタル化もさかんに行われている。
このようなデジタル化の最大のメリットは、携帯端末を用いて外出先などからデータを確認できたり、目的のデータをすばやく検索できることにある。しかし実際には、これらデジタルデータがローカルのハードディスクの中で眠ったままになっており、家庭の外に出ると活用できない状況にあることも多い。「フレッツ光」などインターネット接続サービスが普及し、また「iPad」など外出先で手軽にデータを見られる携帯端末が登場しているにもかかわらず、かんじんの価値あるデータが活用できないのは、なんとももったいない限りだ。
ここ十年余のブロードバンド回線の目覚ましい普及により、デジタルデータをネットワーク上でスムーズにやりとりできるインフラはすでに整いつつある。また家の中でも今後は、パソコンだけではなく、プリンターやビデオカメラ、テレビや白物家電など家中のさまざまなデジタル機器がネットワークでつながる「家まるごとデジタル化」の時代がやってくるだろう。
NTT西日本が提供する「光LINK」シリーズのラインナップとして発売されるこの「N-TRANSFER」も、もちろんその一部になり得る。希望小売価格7350円(税込)という価格で購入でき、PCを意識しなくとも手軽にクラウドを活用できる「N-TRANSFER」。この便利な商品を、ぜひ使ってみてはいかがだろうか。下記URLをチェックしてほしい。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」