サンフランシスコ発--Intel Developer Forumの会場となったMoscone Centerで、最も人が集まった場所はどこだったか。答えは壁際のコンセントである。
当地で米国時間3月7日から9日までの3日間にわたって開催されたIntel Developer Forumの会期中、多くの人がコンセントを探し回っていた。これは、電源に接続されていないノートPCの駆動時間を延ばすための、何らかの対策が必要であることを雄弁に物語っている。Intelはこの課題を解決するため、チップの消費電力を削減することにこだわっている。その一方で、ほかのベンダー各社は、バッテリ寿命の延長や、省電力ディスプレイの提案といった対策を打ち出している。
IntelのMobility Enabling Initiative担当マネージャーKamal Shah氏によると、同社では2010年までに、標準バッテリだけで8時間駆動するノートPCが登場することに期待しているという。Intelでは「Merom」などのノートPC用チップの開発において、消費電力を増やさずに性能を向上させることを狙っているが、これを実現するには他社の協力も必要だと、同氏は述べる。
東芝松下ディスプレイテクノロジー(TMD)の越後博幸氏によると、TMDはIntelとの提携の下、プログレッシブスキャン方式とインタレーススキャン方式を切り替えながら画像を映し出せる液晶ディスプレイ(LCD)を開発したという。TMDは、東芝と、パナソニックブランドで有名な松下電器の合弁会社だ。
プログレッシブスキャン方式のディスプレイは、大半のテレビで画像を映し出すのに採用されるインタレーススキャン方式よりはるかに高い頻度で画像をリフレッシュする。その結果、プログレッシブスキャン方式の方がより高精細な画像を映し出せるものの、消費電力が大きいと、越後氏は語っている。
D2PO(Dynamic Display Power Optimization)と呼ばれるTMDの技術では、ゲームや映画などの動きの速い画像はプログレッシブスキャン方式で表示し、動きの少ないウェブページやドキュメントなどはインタレーススキャン方式で映し出すことで低消費電力化を図る。TMDが液晶パネル技術を開発し、Intelが画像データに最適なスキャンモードを特定するソフトウェアとグラフィックスコントローラを提供した。
Intelによると、同社はより強力な電力供給を実現しようと、バッテリ業界とも協力しているという。例えば、Sion Powerという会社では、バッテリの主成分として大半のノートPCに採用されるリチウムイオンの代わりに、リチウム硫黄を使う電池の開発に取り組んでいる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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