ソニー・コンピュータエンタテインメントが開発を進めているPS4用バーチャルリアリティ(VR)システム「Project Morpheus」。これを体験する機会が得られたので、その模様をお伝えする。
Project MorpheusはVRヘッドセットを頭部に被ることによって、VR空間を楽しめるというもの。ヘッドセットユニットには加速度センサならびにジャイロセンサが内蔵。またPlayStation Cameraによってプレーヤーの頭部の動きや位置を検知し、コントローラーで操作することなくプレーヤーの意のままに映像が、360度全方向にリアルタイムで変化する。また、PlayStation Move(PS Move)モーションコントローラを使用するゲームでは、映像内にプレーヤーの手と剣などの武器を再現。それらを動かしながら闘うといったアクションができる。
2014年に発表され、国内でも東京ゲームショウ2014などに試遊出展。2015年に入り3月のGame Developers Conference 2015で新型試作機を公開し、E3 2015にも新たな技術デモを出展した。5.7型有機ELディスプレイを採用したうえ、120fpsの映像表示にも対応。体験したのはこの新型試作機となっている。
まず体験したのは「THE PLAYROOM VR(Monster Escape)」。これにはVRコンテンツを活用した“多人数プレイ”という新たな遊びを提示したタイトルとなっている。
ゲーム内容はProject Morpheusを装着したプレーヤーが怪獣となって、頭突きでビルを壊したりヘリコプターに攻撃を加えたりして、逃げる小さなキャラクター「ARボット」を追いかけるというもの。一方、装着していない他のプレーヤーはコントローラーでARボットを操作し、落ちてくる破片や追撃されたヘリコプターに当たらないように操作する。一定距離を逃げ切ると、今度は逆にARボットのほうから物を投げて怪獣を攻撃。怪獣側はそれをよけるというものだ。
怪獣側で遊んでみると振り向けば尻尾が見えたり、高い位置から見下ろすような視点になっていたり、また頭突きをするように体を動かし簡単にビルが壊れていく様子を見ていると実に爽快で怪獣になったような気分が味わえた。後半の投げてくる物をよけるシーンでは、たまに早いスピードで物が投げられたときには思わず「わっ」と声が出て驚いたりと、本当に物が投げられたような感覚も覚えた。プレーヤー側はキャラを操作する傍ら、怪獣側の動きや反応を見ているのも楽しく感じた。
VRコンテンツの魅力は高い没入感である一方、1人だけの世界になりがち。そんななかで、VRシステムが1台でもみんなでわいわい楽しめる多人数型パーティゲームという新たな可能性を垣間見たタイトルだった。
続いてはセガゲームスの「SEGA feat. HATSUNE MIKU Project: VR Tech DEMO」。初音ミクが歌い踊るライブステージを鑑賞する技術デモだ。ただ眺めているだけではなく、モーションコントローラをサイリュームに見立てて振り、一緒に盛り上がることができる。
周りを見るとサイリュームを振っている人たちがいる。筆者も最初は控えめに振っていたのだが、曲にのってきたこともあってかまわりにあわせるように少しずつ大きく振るように。また仮想空間だけあってかステージの演出も特殊。そんななかで右に左に動きながら歌うミクを目で追うというのは、ライブ空間に入り込んだ感覚を思える。
また歌の途中では独り占めしたかのように目の前でミクが歌う演出も用意。“どアップ”というほどの近距離でミクが迫ってきたり、さらに目が合ったりころころと変わる顔の表情を見ていると、本当にかわいらしいと感じてしまう。とかく3Dで歌い踊るミクのゲームやライブなども見てきたが、仮想空間に入り込んだものだとひと味違う存在感で、より一層“ミクさんマジ天使”と思った次第だ。
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