電力不足を乗り切る「節電テレビ」の選び方(前編)

エースラッシュ2011年07月14日 06時00分

 地上・BS放送がデジタルへ完全移行する7月24日を前に、店頭ではテレビの売り上げが爆発的に伸びている。いわゆるアナログ放送終了直前の「駆け込み需要」だ。しかし、テレビは長く使う家電であり、かつ高額な買い物となるため、しっかりとポイントを押さえた製品選びが必要不可欠。そこで、最近注目されている「節電機能」を軸に、市場全体の動向や各メーカーのウリなどをチェックしていこう。

キーワードは“節電”

 対象製品の購入期限が3月末で終了した「家電エコポイント制度」、さらには東日本大震災に伴う電力不足の影響から、最近ではテレビに対する各メーカーの姿勢やユーザーの意識に大きな変化が起き始めている。各メーカーでは画質・音質だけでなく独自の節電機能を全面的にアピールし、一方のユーザー側も積極的に低消費電力の製品を選ぶ傾向が強くなっているのだ。

  • LEDバックライトの採用や省エネ機能の搭載によりテレビの消費電力は年々減少している。写真は東芝「REGZA」の2006年モデルと2011年モデルの消費電力比較

 一口に“節電機能”といっても内容はさまざま。その中で一番注目度の高いものといえば、液晶テレビのバックライトに「LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)」を採用したモデルの普及だろう。液晶テレビでは背面から液晶パネルを照らし出すためにバックライトを使用するが、従来製品では「CCFL(Cold Cathode Fluorescent Lamp:冷陰極管)」と呼ばれる蛍光管を使用していた。しかし、近年の技術革新によってLEDバックライトの使用率が増加。発光効率が良く省電力なのはもちろん、地球環境に優しい水銀フリー、調光範囲の広さ、高い応答速度、経年劣化が起きにくいといったメリットも兼ね備えている。

 また、LEDバックライトとあわせて画質の自動調整機能も最近の特徴といえるだろう。こちらは周囲の環境に応じて輝度や画質などを最適化してくれるもの。例えば暗い環境で輝度を抑えることで単純に見やすくなるだけでなく、節電にも大きな効果を発揮してくれる。そのほか、人がいなくなると画面を消灯する人感センサー、消費電力が一目でわかるグラフ表示といった機能も節電に役立つ機能だ。

 ただし、いくら最近のテレビは節電機能が充実しているとはいえ、積極的に消費電力を抑えるような使い方も重要といえる。人感センサーのない機種でしばらくテレビの前を離れるような場合はこまめに電源を消したり、つけっ放しにする“ながら見”を減らすように心がけよう。また、テレビの吸排気用ダクトやファンにホコリが付着すると、熱がこもってムダな電力を消費してしまう。場合によっては故障につながることもあるので、定期的な清掃も必要不可欠だ。

 ではここから、各メーカーが採用している節電機能について見ていこう。

ソニー「BRAVIA」/多彩なLEDバックライトや人感センサーを採用

  • エッジ型LEDバックライトのイメージ

 ソニーの「BRAVIA」で特徴的なのは、各シリーズでLEDバックライトを細かく使い分けていること。まずLEDを画面のベゼル部分に配置するエッジライト方式では、導光板と拡散シートでムラのない高コントラストな映像を再現する「エッジ型LED」と、LEDの発光を部分的にコントロールして明暗のバランスを最適化する「ダイナミックエッジLED」を用意。背面全体から照らす直下型方式では、LEDバックライトを部分駆動する「インテリジェントダイナミックLED」、そして小さなブロックごとによりきめ細かく制御する「インテリジェントピークLED」が採用されている。

  • BRAVIA KDL-55HX920

 人感センサーにも種類があり、「HX720/EX720/EX72S/EX420/CX400」シリーズにはテレビの前から人がいなくなると画面を消灯する「人感センサー」が、「HX920/HX820/NX720/LX900」シリーズでは顔認識機能付きの「インテリジェント人感センサー」が採用されている。後者は顔の向きからテレビを視聴中なのか、別の用事をしているのかを判断でき、判定レベルについても「省エネ優先モード/標準モード/視聴優先モード」の3種類が選択可能だ。そのほか、電源オフ時の消費電力を極限までカットする「主電源スイッチ」、「E1000」シリーズ以外の全機種に装備された映像の明るさを抑えて消費電力の削減が図れる「消費電力」メニューもポイントだ。

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