[ブックレビュー]お手本は京都人の「イケズ」--「エレガントな毒の吐き方」

フライヤー編集部2023年07月01日 08時00分
日経BP社
内容:誰かからイヤなことをされたとき、あなたならどうするだろう? ハッキリと「迷惑です」「やめてください」と言えるシチュエーションもあるだろう。だが、上司や取引先など、関係を切れない人が相手だったら?おそらく多くの人はぐっと我慢するはずだ。

 誰かからイヤなことをされたとき、あなたならどうするだろう? ハッキリと「迷惑です」「やめてください」と言えるシチュエーションもあるだろう。だが、上司や取引先など、関係を切れない人が相手だったら?おそらく多くの人はぐっと我慢するはずだ。

 相手との関係を断ち切るわけでも、黙って我慢するわけでもない。ふんわりと言い返して、相手が真意に気づいて行動を改めてくれたらOK、そうでなければ「なんて鈍い人!」とこっそり嘲笑して留飲を下げる――これが本書の提案する知的戦略「エレガントな毒の吐き方」だ。

 著者の中野信子氏によると、この戦略のお手本は京都人の「イケズ」である。有名なのは「元気なお子さんやねえ(=うるさいよ、静かにさせなさい)」だろう。分かる人は「嫌みを言われている」と気づくが、そうでない人にとってはただの褒め言葉であることがポイントだ。

 著者によると、こうした“言いにくいことを賢く伝える”コミュニケーションは脳科学的に見ても合理的だそうだ。人間の脳は本来、ヒエラルキーで上位に立つために、相手を言い負かすことを好む傾向にある。だが現代においては、大きな集団の中に小さな集団が複数あり、それぞれの行き来が頻繁に発生する。今日の敵は明日の味方かもしれないから、相手を言い負かしてサヨウナラ、とはいかないのだ。

 本書では、京都人への聞き取りをもとに、エレガントな毒の吐き方のルールが示される。本書で京都風の伝え方を習得すれば、コミュニケーションのモヤモヤが晴れること請け合いだ。

今回ご紹介した「エレガントな毒の吐き方 脳科学と京都人に学ぶ『言いにくいことを賢く伝える』技術」の要約記事はこちら。この記事は、ビジネスパーソンのスキルや知識アップに役立つ“今読むべき本”を厳選し、要約してアプリやネットで伝える「flier(フライヤー)」からの転載になります。

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