メルカリは3月9日、子会社のメルコインを通じて、「メルカリ」アプリ内でビットコインを売買できるサービスの提供を開始した。本人確認を済ませている場合、申込みは最短30秒で完了するといい、売上金やメルペイ残高、ポイントを使って1円単位でビットコインを購入できる。
3月9日より順次、マイページ内の「残高・ポイント」欄の下に「ビットコインを買う」ボタンが表示されるようになる。
ライト層向けのサービスをうたっており、取扱う暗号資産は当初はビットコインのみ。ビットコインは売却することでスムーズにメルペイ残高に戻せる。手数料は購入価格と売却価格の差であるスプレッドを片側1%程度、両側2%程度を設けている。ビットコインの入出庫には非対応となる。
セキュリティ面では、「FIDO認証」の仕様に基づくパスワードレスの生体認証に対応する。ユーザーから預かった暗号資産はコールドウォレットを活用し、厳格な分別管理を行っているという。
なぜメルカリがビットコイン売買サービスに参入するのか。その理由について、同社で執行役員 CEO Fintechを務める山本真人氏は「これまで暗号資産に馴染みがなかったに、ビットコインを身近に感じてもらいたい」と説明する。「メルカリを新しいテクノロジーを活用した世界の入口にしていきたい」とも語る。
山本氏は、日本における暗号資産取引の課題について「保有している人が少ない」点を挙げる。「国内の暗号資産の口座数は640万程度、アクティブな口座は370万程度しかない。そこにメルカリが参入することで、メルカリを使っている累計4800万人超、年間1兆円を超える売上が暗号資産の領域に入ってくる」と参入のインパクトを強調する。
また、ビットコインにはマイニング時の環境負荷が高いという懸念がある。メルカリは、ビットコイン取引量に応じたカーボンオフセットを実施することで、環境への負の影響を低減するという。
将来的には、ビットコイン以外の暗号資産の取り扱いや、ビットコインによる支払い機能、確定申告のサポート機能などの導入も検討する。メルコイン CPOの中村奎太氏は「まずライト層向けにリリースしたが、ユーザーからのフィードバックに応じて(新機能の追加を)検討していきたい」と述べた。
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