新たな人工知能(AI)ツールの開発をめぐって世界的大手テクノロジー企業間での競争が激化する中、Facebookの運営元であるMeta Platformsは、AI研究を進める取り組みを強化しようとしている。
Metaは米国時間2月24日、大規模言語モデル「LLaMA」を公開し、研究者が利用を申請できるようにしたことを発表した。大規模言語モデルは、短時間で大量の短い文章を作成したり質問に答えたりできるOpen AIの「ChatGPT」のようなツールに利用されている。2月には、MicrosoftがAI搭載の検索エンジン「Bing」をリリースし、GoogleがAIチャットボット「Bard」を発表した。
Metaの最高経営責任者(CEO)であるMark Zuckerberg氏は、大規模言語モデルについて、「テキストの生成や会話、資料の要約のほか、数学の定理を解いたりタンパク質の構造を予測したりするような、さらに複雑な作業において大いに有望だ」と述べている。
LLaMAの発表は、ユーザーや広告支出をめぐってテクノロジー企業が互いにしのぎを削る中で、AIがその重要な焦点であり続けることを示している。その一方で、論文やアートなどのコンテンツを生成できるAIツールの人気上昇により、誤情報や盗用、偏見に関する倫理的懸念も生じてきた。Metaによると、研究者は大規模言語モデルの利用機会が限られていることが多く、こうした問題への対処を目指す取り組みの妨げになっているという。
LLaMAを利用できるのはMetaが承認した研究者に限定されるが、AIが全体として進化すれば、他のテクノロジー企業とともに同社の利益になる可能性がある。Zuckerberg氏は2月に、Metaでは従業員の解雇や組織の再編に加えて「エンジニアの生産性向上のため、AIをデプロイ」していると述べた。同社では、人々が興味を持ちそうなコンテンツのリコメンデーションや広告事業にもAIを用いている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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