「DALL・E」や「Stable Diffusion」といった人工知能(AI)ツールが登場し、簡単なテキストによる指示からデジタルアートに生成してくれるようになったのは、2022年のことだ。だがそれも、今は昔の話に思えるかもしれない。
ここで紹介したいのが、AIベースのロボット「FRIDA」だ。カーネギーメロン大学(CMU)が開発したFRIDAは、ユーザーの指示を実際の絵画に変換するロボットで、力強い筆さばきでさまざまな手法を駆使して絵を完成させる。だが、おそらく最も特徴的なのは、本物のアートの制作に試行錯誤が欠かせないように、このロボットが絵を描きながら方針を変えることだ。
「(FRIDAは)ミスを犯し、そのミスに学んで目標を変更する」と、FRIDAの開発者の1人で、CMUのコンピューターサイエンス学部の博士課程に在籍するPeter Schaldenbrand氏は、このプロジェクトについて説明した動画の中で説明している。
開発チームによれば、FRIDAの狙いはロボットと創造性の接点を探ることにあるという。同チームは5月にロンドンで開催されるロボティクスとオートメーション分野の国際会議「IEEE International Conference on Robotics and Automation」(ICRA)で、FRIDAに関する研究論文に関するプレゼンテーションを行う予定だ。ロボットがアートを制作したケースは以前にもあり、展覧会が開催されたことさえある。だがFRIDAは、生成能力を持ったAIを活用し、人間と共同作業をするという明確な意図を持って設計されている。これはAIチャットボット「ChatGPT」などの実験的ツールを動かしているのと同じタイプのAIだ。
FRIDAは「Framework and Robotics Initiative for Developing Arts」(芸術の開発を目指したフレームワークとロボティクスの取り組み)の頭文字を取った略語だが、著名な画家のFrida Kahlo氏にちなんだ名前でもある。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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