Fitbit創業者インタビュー:グーグルの「Pixel Watch」とFitbitの未来 - (page 3)

Scott Stein (CNET News) 翻訳校正: 編集部2022年05月18日 08時00分

--現行のFitbitのスマートウォッチの文字盤とアプリは、Wear OSとうまく融合できますか。どのように機能することになりますか。

 それは、われわれが今後解決していかなければならない課題です。しかし、文字盤はユーザーがスマートウォッチで最もよく使う機能です。われわれはサードパーティーの文字盤メーカーの強力なコミュニティーを作り上げており、彼らは驚くほど創造的な文字盤を提供してくれています。これを、われわれのすべての製品群で続けていきたいと思っています。

Pixel Watch
Pixel Watchには心拍計と睡眠トラッキング機能が搭載される。それ以外のセンサーも搭載されるのだろうか?
提供:Google

--Pixel Watchの背面を見ると、多様なセンサーを搭載しているようですね。FitbitのSenseとCharge 5にはすでに心電図(ECG)、ストレス管理、皮膚温記録機能が搭載されています。Pixel WatchにもFitbit製品と同様のセンサーが搭載されるのでしょうか。

 Pixel Watchのセンサーについて具体的に話すことはまだできませんが、われわれの目標は、製品群にわたって最先端のセンサーを提供することです。Pixel Watchは最先端の健康センサーを搭載することになるでしょう。そして、そうした機能を製品群全体で選択的に追加していきます。

--セルラー接続機能もFitbitにとっては新たな機会ですね。

 セルラーがPixel Watchのスマートな機能とコミュニケーション機能に貢献するのは自明です。しかし、健康に関するセルラーの可能性はまだ未開拓で、これから時間をかけて見極めていかなければなりません。例えば、スマートウォッチとスマートフォンはどう共存できるか、両方に健康機能がある場合は各デバイスで何を実行するのが理にかなっているか、といったことです。

--「Androiud」デバイスだけでなく、「iPhone」と連携させてFitbitデバイスを使っているユーザーが多数います。Pixel Watchはどうですか。

 Pixel Watchの「iOS」対応戦略については具体的に言えませんが、Fitbit製品に関して言えば、iOSユーザーのサポートを終了するつもりはありません。iOSはFitbit製品にとって非常に重要です。可能な限り多くの人々の役に立つようにするということです。

--Pixel Watchは1つの製品だとみなされていますが、Pixelブランドのデバイスは、Googleがハードウェアパートナーと共存する中で、プラットフォームの進化の方向を示すリファレンスデバイスのような位置付けになることがあることも知られています。Fitbitが独自のWear OS搭載スマートウォッチを開発する計画もありました。Pixel Watchは、Fitbit製Wear OSウォッチという全く新しい世界への入り口でもあるのでしょうか。

 可能な限り多くのデバイスにFitbit体験を提供するマルチサーフェスを実現したいと思っています。先ほども言いましたが、人々は健康目標に関して非常に多様な、異なるニーズを持っています。これも繰り返しになりますが、FitbitとWear OSデバイスの計画の話になります。われわれはこれを必ず検証します。なぜならWear OSは非常に優れたOSだからです。慎重に検証していきたいと思っています。

--では、Pixel Watch以外のWear OS搭載スマートウォッチにもFitbitのサービスを搭載させる計画はありますか。

 それについてのわれわれの考え方は、今後進化していくと思います。Wear OSは非常に強力なOSであり、興味深い多くの機能をもたらします。スマート機能だけでなく、健康とフィットネスの面でも興味深い機能を可能にします。これは、Fitbitのラインアップで確実に検証していく予定です。

Pixel Watch
GogoleとFitbitがPixel Watch上でどのように融合するかはまだ分からない。
提供:Google

--睡眠トラッキングに興味があります。Pixel Watchではどのように稼働しますか。

 睡眠トラッキングは非常に人気のあるFitbitの機能です。睡眠体験をさまざまな形でお届けする予定です。ウェアラブルのみならず、Pixelデバイスにも提供しますし、Fitbitのスマートウォッチにも搭載していますが、就寝の際に手首に余計なものをつけたくない人もいます。 そこでNestの機能が活用できます。睡眠に関しては特に、ウェアラブルの枠を超え、より自然な形で生活に取り入れられるように、さまざまな形で提供していこうと考えています。

 睡眠ルーティンには音楽や環境音、ホワイトノイズ、照明などの重要な要素との相互作用があります。Googleの「ホーム」機能は、そこで大きな役割を果たすことができます。Nestのサーモスタットによる室温もしかりです。

--Pixel Watchでは、Fitbitによる音楽とフィットネスの組み合わせの可能性が大きいと思います。「Pixel Buds Pro」のマルチポイント対応や、人々がいかに日常的に音楽とフィットネスを使っているかを考えると特にそうですね。どんな可能性があると思いますか。

 非常に大きな可能性があります。Googleには「YouTube Music」という素晴らしいサービスもあります。音楽とフィットネスが密接な関係にあることは確かです。この2つは切り離せません。われわれは、健康やフィットネスと結びついた素晴らしい音楽体験とは何かを、時間をかけて解明していきます。これはかなり興味深い分野です。Pixel Budsだけの話ではありません。自宅でのワークアウトでは、音楽が重要です。ここでもマルチサーフェス機能が威力を発揮します。

--アクティビティーと組み合わせたビデオワークアウトに注力する企業が増えました。Fitbitも参入しますか。

 それはGoogleに参加した私にとって最も楽しみなことの1つです。Nestであれ、Pixelであれ、YouTubeであれ、健康とフィットネスを多様な分野に取り入れる方法は数多くあり、かつてよりずっと簡単に実現できるようになりました。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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