TCLの折りたたみ&巻き取り式スマホ--最新の試作品を触ってみた - (page 2)

Lisa Eadicicco (CNET News) 翻訳校正: 編集部2022年03月03日 08時00分

 もう一方のFold N' Rollは、現在市販されている折りたたみスマートフォンとは明らかに異質な印象を受ける。開いた状態では、Ultra Flexや他の折りたたみスマートフォンと同じように見えるかもしれない。Ultra FlexやGalaxy Z Fold3と同様に、Fold N' Rollも開くと内側に大きな画面が現れる。しかし、その名が示すとおり、このスマートフォンは半分に折りたためるだけでなく、画面を伸ばすこともできる。本体に設置されたボタンを押すと、一方の端から内側に巻き込まれていた画面が出てきて、最終的には8.8インチの大画面になる。これはiPad miniよりも大きく、フルサイズのタブレットに近い。画面解像度は2880×2160、完全に折りたたんだ状態での画面サイズは約7インチだ。

Fold N' Roll
Fold N' Roll
提供:Lisa Eadicicco/CNET

 この画面拡張機能は、デモ機の使用中は1度しか機能しなかった。試作品の段階なので、ソフトウェアの動きもかなりぎこちない。それでもディスプレイを伸縮させた際、ソフトウェアが画面サイズに素早く適応したことには感心した。画面中央の折り目も広げた状態ではほとんど分からない。

Fold N Fold N' Roll
提供:Bobby Oliver/CNET

 Fold N' Rollは外折り式なので、完全に2つ折りにした場合、ディスプレイが本体をぐるりと包んだ状態になる。これも、このコンセプト機のデザインの大きな特徴だ。しかし前述したように、ソフトウェアの動作が不安定だったので、このデザインがユーザーエクスペリエンスにどう貢献するのか、あるいはそもそも貢献するのかを判断することは難しかった。

発売時期は不明

 TCLは、手頃な価格帯のテレビで知られるメーカーで、米国のスマートフォン市場では比較的新しいプレーヤーだ。しかし折りたたみデバイスへの近年の投資は、同社が今後何年にもわたって、モバイル業界の最大手企業に挑もうとしていることを示している。

 問題は、TCLが折りたたみスマートフォンを発売する時期だ。同社は2021年に、Galaxy Z Flip3によく似た縦折り型折りたたみスマートフォンの発売計画を中止した。米CNETがすでに報じているように、この決定の背景にはさまざまな要因がある。例えば、モバイル市場でのTCLブランドの弱さ、コロナ危機の影響による部品価格の上昇などだ。

Fold N' Roll
Fold N' Roll
提供:Lisa Eadicicco/CNET

 TCLは、折りたたみスマートフォンの発売価格を700ドル(約8万1000円)以下に抑えるつもりだとしている。現在市販されている折りたたみスマートフォンが1000ドル(約11万5000円)程度することを考えると、かなり安い。しかし、この市場は競争が激しく、しかもライバルは既存の折りたたみスマートフォンだけとは限らない。サムスンは2022年のCESで4種類の新型スマートフォンのコンセプト機を披露しており、LGも2021年のCESで巻き取り式のスマートフォンを「チラ見せ」した。

 2021年9月、TCLの最高マーケティング責任者Stefan Streit氏は米CNETに対し、同社初の折りたたみスマートフォンが登場するのは12カ月から18カ月先になると述べた。このとおりに開発が進むかどうかは分からないが、今回お披露目されたコンセプト機は、TCLが少なくとも当面は、開発をあきらめるつもりはないことを示している。

 「当社にとって、これは非常に重要なカテゴリーだ」と、Streit氏は9月のインタビューで米CNETに語っている。「製品を、たくさんの製品を市場に届けるつもりだ」

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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