2022年はアバターを作ってメタバースに飛び込む年に - (page 2)

Scott Stein (CNET News) 翻訳校正: 編集部2022年01月13日 07時30分

PlayStation VR 2:ソニーが推進するPS5のメタバース

PlayStation VRのコントローラー
提供:Sony

 2016年に発売されたソニーのヘッドセット「PlayStation VR(PS VR)」の後継機については、2022年に発売されること、「PlayStation 5(PS5)」で動作すること、コントローラーが刷新され、高解像度のディスプレイが搭載されることが分かっている。まだ分かってないのは、この新しいVRヘッドセットに対する市場の反応だ。しかしソニーの新型ヘッドセットは、考えられているよりもずっと大きな反響を巻き起こすかもしれない。

 今も品薄が続くPS5は、本格的なグラフィックスとテクノロジーを備えた最新の家庭用ゲーム機だ。一部の新作ゲームには、すでに高速なSSD、先進的な触覚フィードバック、3Dオーディオが採用されている。Epic Gamesの3D制作プラットフォーム「Unreal Engine 5」を活用すれば、PS5をはじめとする次世代ゲーム機は、写真と見まがうようなリアルな表現を実現できるようになるだろう。Unreal Engine 5で制作された「The Matrix Awakens」のデモ映像は目を見張る出来映えであり、同じことがいずれはVRでも実現されるかもしれない。

 初代PS VRが登場した2016年は、「Oculus Rift」「HTC Vive」「Google Daydream」など、多くの大型VR製品が登場した年でもあった。2022年も似たようなことが起きるかもしれない。しかし今回は、ソニーはPS5のグラフィックスエンジンを活用することで、他のハードウェアの追随を許さない没入感のあるゲーム体験を実現し、他社をリードできる可能性がある。また、ソニーの顧客である家庭用ゲーム機ユーザーは、没入型コミュニティーのコアユーザーになる可能性も秘めている。ソニーはサービスを終了した「PlayStation Home」のような独自のメタバースを再び追求するのだろうか。それとも、これまで培ってきたVRゲームメーカーとの関係を活かし、新たなクロスプラットフォーム体験をけん引していくのだろうか。

 PS VR 2はスタンドアロン型のヘッドセットではなく、USB-CケーブルでPS5とテザリングする必要がある。しかしパススルーカメラを使えば、Metaの次世代ヘッドセットと同じような方法でMR体験を実現できる。報道によれば、PS VR 2は視線追跡技術を用いてVRのグラフィック性能をさらに向上させる予定だという。ソニーは侮れないプレーヤーとなりそうだ。

Appleのヘッドセットはメタバースの主役となるか

Appleのウェアラブル製品
Appleの他のウェアラブル製品に注目すると、同社のスマートグラスについてヒントが得られるかもしれない
提供:Scott Stein/CNET

 何の証拠もないにもかかわらず、テクノロジー分野の記者やアナリストらがこぞって「来る」と断言するのがAppleの没入型ヘッドセットだ。何年も前から、Appleが独自のAR・VRハードウェアを発売するといううわさはまことしやかにささやかれており、実際、必要な技術はすでにそろっている。例えば、最近の「iPad」や「iPhone」に搭載されている深度測定が可能なLiDARセンサーは、仮想世界と現実世界の融合を可能にするものだ。Appleの「iOS」のAR技術は、すでにARオーバーレイだけでなく、モーショントラッキングにも対応している。Apple独自の高性能チップ「M1」は、すでに最新のMacやiPadに搭載され、高い性能と効率性を証明しているが、このチップがヘッドセットに搭載される可能性もある。

 時期は不明だが、独自のスタンドアロン型ARグラスがAppleから登場するといううわさもある。最近の報道によると、最初のApple製ヘッドセットはVRであり、パススルーカメラを使って仮想世界と現実世界を融合させるMR機能を備えたものになるとみられている。さらに視線トラッキング機能や代替モニターとしても十分に機能する高解像度ディスプレイも備えるなど、これまでに紹介してきたハードウェアとスペックはほとんど変わらない。

 価格はかなり高くなりそうだ。しかしクリエイターのためのプロツールを目指すなら、一般ユーザーの前にMac Proユーザーに照準を合わせるべきだろう。この新しいヘッドセットは、ゲームやコミュニケーション、フィットネスなど、すでにVRではおなじみの分野を対象にしたものになると考えられている。

 しかしAppleから登場する新型ハードウェアは、技術面では大きな前進をもたらすとみられている。Metaやソニーと違い、Appleは他のデバイスやスマートフォンとの互換性を確保できるからだ。AppleのヘッドセットがiPadやMac、iPhone、さらにはApple Watchのようなハードウェアと連携できることはほぼ間違いない。シームレスなデバイス間連携は、たとえApple製品の間に限られるとしても、Meta Quest 2などのデバイスが今も苦戦している分野でAppleに優位性をもたらす可能性がある。Metaはハードウェアのクロスプラットフォーム化を進めているが、スマートフォンOSとの連携が依然として大きなハードルとなっている。Appleは、こうしたデバイス間コミュニケーションの形を一新させるかもしれない。

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