消費者の需要をAIで予測--リンガーハット、緊急事態宣言などを想定したシステム導入へ

 シリコンバレー発のAI企業であるパロアルトインサイトとリンガーハットは、緊急事態などに対応する需要予測システムの共同開発を開始した。

 12月から社内での売上予測モデルの運用を開始するほか、2022年3月にテストバージョンの店舗シフト管理アプリを開発。2022年4月から5月に、実店舗でテスト運用をした後、2022年秋に全国約700店の「リンガーハット」および「とんかつ濵かつ」で本導入を予定する。

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 同システムは、消費者の需要を予測する従来のシステムに加えて、地震や台風などの自然災害、感染症のパンデミックなど、さまざまな緊急事態下で多様に変化する消費者の需要を、AI(人工知能)を活用して予測できるのが特徴。

 販売実績や気象情報、地域に関する情報などのデータを基に、消費者の需要予測。適正な発注数の算出、在庫管理、出荷量予測を行い、サプライチェーンの無駄を減らせるという。

 さらに、緊急事態宣言や災害などで需要が急激に変化する事態を想定し、的確なデータを元に緊急事態下での需要予測も可能。通常シナリオと緊急シナリオの需要予測を切り替え、オペレーションの遅延をなくし、円滑化を実現する技術基盤になる。

 昨今、新型コロナウイルスの感染拡大により消費者の行動様式が変わり、従来の需要予測モデルが通用しなくなっているという。これを機に、今後もさまざまな事態に備えて、あらゆる環境下で柔軟に対応できる強靭な需要予測モデルの開発が不可欠であると考え、同システムの開発に至ったという。

 両社では、需要予測システムにより、コロナ禍で変化した消費者需要の予測さらに、飲食業界が抱える人手不足や食品ロスの解決を目指す。

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