Microsoftの共同創設者であるBill Gates氏は、波乱の1年を送った。8月にはMelinda French Gates氏との離婚が成立した。最初に離婚が報じられた5月には、The New York TimesとThe Wall Street JournalがGates氏について、まだ結婚していた時期にMicrosoftの女性社員と不適切な関係にあったと報じていた。もっと明るい個人的な話題としては、Gates氏の長女Jenniferさんが10月に結婚した。こうした日々の中でもGates氏は読書する時間を確保していたようで、2021年に楽しんだ書籍5冊を紹介する動画とブログ記事を米国時間11月22日に公開した。
多くの人と同様、Gates氏もAndy Weir氏の著作を2011年のベストセラー「火星の人」で知ったという。この新作のSF小説は、高校の科学教師が別の星で目を覚ますのだが、どのようにしてそこに至ったのかまったく覚えていない、というストーリーだ。「楽しく読めたので、週末に全部読み終えてしまった」(Gates氏)
Maggie O'Farrell氏の「ハムネット」は、ウィリアム・シェイクスピアの人生から事実を拾って小説に仕上げている。シェイクスピアは息子ハムネットを11歳で亡くしており、その4年後に悲劇「ハムレット」を書いたことはよく知られている。Gates氏はこの小説を「感動的」と評し、「特に(シェイクスピアの)妻アンについては楽しく読めた。ここではほとんど超自然的な人物として描かれている」とした。
「わたしを離さないで」や「日の名残り」などの著者として知られるカズオ・イシグロ氏の新著は、超インテリジェントなロボットが存在する世界が舞台だ。「ロボットの登場する良くできた物語が大好きで、病弱な少女の『人工友人』に関するイシグロ氏の新作も例外ではない。この本を読んで、超インテリジェントなロボットとの生活がどのようなものか、このようなマシンをテクノロジーの一部として扱うのか、それ以上の何かとして扱うのか、考えさせられた」(Gates氏)
普通の人はめったに考えない話題をテーマとしたノンフィクションの書籍が1、2冊なければ、Gates氏のブックリストとは言えまい。Walter Isaacson氏の「The Code Breaker」は、ゲノム編集技術「CRISPR」の発見について深く掘り下げている。もちろん、Gates氏はすでにCRISPRに関与している。「(ビル&メリンダ・ゲイツ財団の)仕事が縁で、CRISPRにについてはよく知っており、この技術を利用する多くのプロジェクトに出資している。だが、ノーベル賞を受賞した生化学者Jennifer Doudna氏らの発見に関するこの包括的で読みやすい本から、まだ多くのことを学んだ」(Gates氏)
これも、科学大好き人間向きのノンフィクションだ。「Palm Pilot」の生みの親であるJeff Hawkins氏が、神経科学と機械学習の関係について書いている。Gates氏は、「人工知能(AI)ほどSF作家の想像力を掻き立ててきたテーマは数少ない。真のAIを生み出すために何が必要かをもっと知りたいなら、本書が魅力的な理論を提示してくれる」と綴っている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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