アークエルテクノロジーズは11月10日、市場価格と連動したV2Hの自動制御技術を活用したEVの充電シフト実証実験の開始を発表した。2022年より、EV充電マネジメントサービスのパイロット運用を開始する。
V2Hは、EV充電器の機能に加えて、Vehicle(車)からHome(家)へ、EV(電気自動車)に充電された電力を家庭等に供給することが可能な充放電設備のこと。
実証実験では、6月に採択された経済産業省・資源エネルギー庁の実証事業「令和3年度 蓄電池等の分散型エネルギーリソースを活用した次世代技術構築実証事業費補助金(ダイナミックプライシングによる電動車の充電シフト実証事業)」で、11月に開始したものとなる。
アークエルテクノロジーズでは、2020年度の同実証事業で、電力卸取引市場連動型ダイナミックプライシング適用の電力メニューの提供を開始している。
今回の実証実験では、ダイナミックプライシングとV2Hを組み合わせ、4つのAI予測を基に、数理最適化の手法を用いて最適な充放電時間を計算し、計算結果を基に、IoT機器による制御を通じて、EVへの充電とEVに充電された電力の家庭等への供給(放電)を、自動で最適化する。
充放電を制御することで、太陽光発電の有効利用を最優先しながら、電気料金が安い時間帯は不足分の電力を市場から購入してEVを充電し、電気料金が高い時間帯はEVに蓄電した電気を使用することで、市場からの電力の購入を抑制することが可能となる。
なお、アークエルテクノロジーズでは、2022年春より「EV充電マネジメントサービス(仮称)」の展開を開始し、複数台のEV所有を推進する企業および自治体等を対象に、「スマート充電」「フリートマネジメント」機能、および「EV充電料金計算」の提供を予定している。
スマート充電は、数の車両がチャージャーに接続されている時に、どの車にどれだけの電流で充電するかを制御するもの。フリートマネジメントは、複数台の車両の充電時間・充電量を考慮した配車スケジュールの設定で、EV充電料金計算により、車両ごとの充電時間を把握し、各車両のチャージ料金計算、請求、回収を実施する。
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