欧州連合(EU)の欧州委員会は現地時間9月23日、スマートフォンなどの電子機器に共通のUSB Type-C充電ポートを採用することを求める規制の草案を公開した。ユーザーが古い充電器を新しい機器で再利用できるようにすることにより、廃棄物を削減する狙いがある。この動きはとりわけ、USB Type-Cではなく独自のLightningコネクターを「iPhone」に採用しているAppleに影響する可能性がある。
この規則は、スマートフォンだけでなく、タブレット、カメラ、ヘッドホン、ポータブルスピーカー、携帯型ビデオゲーム機に適用される。
この無線機器指令(Radio Equipment Directive:RED)の改訂草案では、高速充電規格を統一することや、顧客が充電器なしで新しい機器を購入できるようにすること、また既存の充電器が使えるかを顧客が判断できるよう、充電の性能に関する情報を顧客に示すことも求められるようになる。
この草案の法律化には、欧州議会での可決が必要だ。規則が導入された場合、機器メーカーは24カ月以内に新しい規則に従わなければならない。
「欧州の消費者は、互換性のない充電器が引き出しの中に積み上げられていく状況に十分に長い間辟易してきた」と、欧州委のMargrethe Vestager上級副委員長は声明で述べた。「業界には独自のソリューションを考案するための十分な時間を与えたため、共通充電器に向けた法制化の時が来た」(同氏)
Appleは米CNET宛ての電子メールで、環境を保護するという欧州委の意志に共感するとし、2030年までにすべての製品をカーボンニュートラルにするという同社の目標を強調した。
一方、「1種類のみのコネクターを義務付ける厳しい規制は、イノベーションを推進するどころか抑制し、それは欧州および世界中の消費者を害することになると懸念している」とも、Appleの広報担当者は述べた。
しかしAppleは、同社製品の多くで徐々にUSB Type-Cへの移行を進めている。USB Type-Cは、「MacBook」に2015年、「iPad Pro」に2018年、「iPad Air」には2020年に採用された。また、先週発表された「iPad mini」の最新版もUSB Type-Cに対応している。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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