クックパッドとパナソニック ハウジングシステム事業部および、その傘下のパナソニックAWエンジニアリングは9月9日、料理を楽しめるキッチン空間を実現した単身世帯向け賃貸住宅リノベーションプランの提供を首都圏に限定して開始すると発表した。主に賃貸オーナーに向けたサービスだ。
昨今は単身世帯が増加しており、単身世帯の割合は2040年に約40%に達すると予測されている。
また、都内の単身世帯向けの賃貸住宅は、約4割が延べ面積29平方メートル以下となっており、これらの住宅に備え付けられたキッチンは、まな板も置けない狭い調理スペース、同時調理が困難な一口コンロ、調理器具や食器を収納するスペースが少ないなど、料理がしづらい環境の場合がほとんどだという。
クックパッドが2019年に行った調査では、引越し先の物件を選ぶ際に重要視される「駅までの距離」「家賃」「リビングの広さ」の各条件を妥協しても「充実したキッチン環境がある物件を選ぶ」と回答した人が過半数を超える結果となり、優れたキッチン環境を備えた賃貸住宅の需要が浮き彫りとなった。
このような状況を踏まえ、3社で協議した結果、共同で賃貸住宅のリノベーションプランを提供することにしたという。
同プランでは、パナソニックの「料理をもっとラクに、もっと楽しく」がコンセプトのキッチン「Lacucina(ラクシーナ)」と、パナソニックAWエンジニアリングの間取りを含めた空間設計や造作施工を掛け合わせ、充実したキッチン空間をトータルで提供する。
たとえば、「L型キッチン採用モデルプラン」では、キッチンスペースの独立感を醸成するL型キッチンを採用。キッチンと居室との間にマルチ収納兼ダイニングテーブルを設えることで、居室側にキッチン設備が見えないように配慮し、キッチンスペースを充実させながらも、居室でもしっかり落ち着けるワンルーム空間に仕上げた。
また、「II型キッチン採用モデルプラン」では、居室を犠牲にせず、ビルトイン食洗機も設置可能なII型キッチンを採用。広々した作業面に、カップボードや壁面ウォール収納を備えた。通路を挟み、作業面をズラして配置することで、複数人調理にも対応できるようになっている。
なおこれらのキッチンは、クックパッドが策定したキッチンの充実度を示す「たのしいキッチンスコア」を基準に仕様が定められ、スコアは75KiT以上となる。これは、一般的なファミリー向け60平米台の間取りに設置されるようなキッチンと比べても高いスコアだという。
さらに、同プランを採用したリノベーション物件は、クックパッドが運営する「たのしいキッチン不動産」のポータルサイトで掲載。入居者のマッチングまでをワンストップで提供することで、資産効率の向上に取り組むとしている。
3社は今後も、同協業を通じてキッチン環境に関連するさまざまな社会課題に対する解決策を見出し、住空間の改善を通じて誰もが料理を楽しめる環境づくりを目指す。
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