数々のスタートアップ支援策を展開する神戸市が、世界で活躍する起業家の育成に焦点をあてたオーダーメイド型起業家支援事業「グローバル・メンターシップ・プログラム」を8月26日に開始した。
「チャレンジできるまち」の実現を目指す神戸市では、「500 KOBE Accelerator」「アーバンイノベーション神戸」「NOROSHI Startup HUB」といった、数々のスタートアップ支援策を実施している。
今回新たに開始するグローバル・メンターシップ・プログラムは、スタートアップの支援という点ではこれまでと同じだが、共通のプログラムを用意するのではなく、個々の要望を聞きながら必要な支援策を提案したり、50名以上のメンターから最適なアドバイザーをマッチングするなど、オーダーメイド型での対応がポイントとなる。
基本は、公開セミナー、個別メンタリング、非公開でのグループメンタリングの3つだが、スタートアップのためのポータルサイト「KOBE STARTUP HUB」を通じて、経験豊富なコミュニティマネージャーが個々の起業にあわせた支援者や支援策などを紹介する。
参加方法はスタートアップか個人でKOBE STARTUP HUBに登録するとコミュニティマネジャーからコンタクトがあり、プログラムに参加する事業内容を確認する。起業を検討中でも相談でき、サイトの登録やプログラムの参加は無料。サイトでは神戸市の市内外のスタートアップ支援に関する様々な情報提供も行われ、参加者間の交流もできる。
プログラム参加の募集は、年4回ほど実施する公開セミナーなども通じて行い、講師はメンターでもあるマネックスグループ代表執行役社長CEOの松本大氏らが登壇する。要望があれば2022年3月に開催を予定している、神戸市のスタートアッププログラム参加者が投資家や支援者に向けて事業を発表するデモデイにも応募可能だ。
本プログラムの要であり、ビジネスの伴走者となるコミュニティマネジャーは、Innovation Dojo Japanが担当する。2016年にオーストラリアのシドニーで設立されたInnovation Dojoの日本支社で神戸市に拠点を構え、日本企業や大学らとのイノベーションプログラムやメンターシッププログラムで実績を持つ。スタートアップと関係者をつなぐエコシステムの構築や市場分析、ビジネス開発、コンサルティングを強みとし、本プログラムではチームでフルタイムの対応するとしている。
Innovation Dojo JapanのCEOであるジョシュア・フラネリー氏は日本の課題として、起業率や多様性の低さを指摘。「人間中心のアプローチと共創による、起業家のレベルとステージにあわせて最も必要とされる支援をカスタマイズして提供したい」と述べる。
神戸市はプログラムの運営予算として2400万円、ハブの運営予算として1000万円を供出している。年間200社、2025年までに1000以上のスタートアップ支援を目指す。
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