連携して捜査にあたった十数カ国の法執行機関は米国時間6月8日、米連邦捜査局(FBI)が秘密裏に運営している暗号化されたメッセージアプリを使うよう犯罪者らに働きかけ、容疑者800人以上を逮捕したことを明らかにした。FBIはオーストラリアと欧州の警察と協力して「AN0M」というアプリを容疑者らが使うように仕向け、やり取りを傍受した。
この作戦は、米国と欧州では「Operation Trojan Shield」、オーストラリアでは「Special Operation Ironside」と呼ばれる。The Washington Postが報じたように、この作戦により、南米の麻薬カルテル、アジアの「三合会」、中東と欧州の犯罪シンジケートなどに属する容疑者らが摘発された。
オーストラリア連邦警察のReece Kershaw長官が記者団に語った話によると、2018年にFBIとオーストラリア警察が「数本のビールを飲んだ際」、この作戦を思いついたという。
AN0Mをインストールしたスマートフォン1万2000台以上が、余計な機能を外したうえで、犯罪への関与が疑われる数百の組織に配布された。そうした組織のメンバーがアプリの暗号化が完全であると保証し、自分たちの活動について話し合うために利用することが増えたため、犯罪コミュニティーで普及していった。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」