パナソニックは5月25日、マイクロフォーサーズ規格の新型ミラーレスカメラ「DC-GH5M2」を発表した。6月25日に発売する。また、あわせてGHシリーズのフラッグシップモデル「DC-GH6」の開発も発表。こちらは2021年内での製品化を予定している。
GH5M2は、2017年に発表された「GH5」の後継モデル。イメージセンサーは、新たにARコーティングを施した2033万画素のLive MOSセンサー。映像エンジンは、最新世代のヴィーナスエンジンを採用し、ディープラーニングを応用した「リアルタイム認識AF」を搭載。顔・瞳認識に加え、後ろ向きの人物を捉える「頭部認識」、遠くの被写体をとらえる「人体認識」に対応。画角による撮影意図をカメラを自動判別し、背景抜けを抑えながらフォーカスするという。また、鳥やイヌ科(オオカミなどを含む)、ネコ科(ライオンなどを含む)に対応した動物認識も利用可能だ。
今回主なトピックとしては、スマートフォンとのWi-Fi接続を活用し、無線でのライブ配信に対応。大掛かりな機材なしにスマートフォンとGH5M2のみで高画質配信が実現する。また、RTMP/RTMPSによるIPストリーミングに対応し、ライブ配信サービスにダイレクトで接続できるほか、専用アプリ上でストリームURLやストリームキー、タイトル、配信画質設定が可能。アプリ上でカメラの接続先をWi-Fiルーターに設定することもできるため、スマートフォンの通信データを使わずに配信も可能だ。Wi-Fiは、IEEE 802.11a/n/acに対応する。
さらに、2021年内のファームウェアアップデートにより、有線でのIPストリーミングにも対応。カメラとPCを有線LANケーブルで接続(カメラ側のUSB TypeCポートを有線LAN端子に変換するアダプターが別途必要)することで、より安定した映像・音声の配信が可能となるほか、4G/5G対応のスマートフォンやタブレットとUSBケーブルで接続することで、より安定したライブ配信が可能なUSBテザリング機能もアップデートで実装される予定だ。
手ブレ補正はボディ内蔵タイプで、GH5の5段よりも強力な6.5段の補正効果を実現。レンズ内手ブレ補正を搭載したLUMIX Gシリーズレンズでは、2つの補正ユニットを協調させる「Dual I.S. 2」により、望遠域まで最大6.5段分の補正効果を維持するという。同社では、静止画向けの「LUMIX G9」でも6.5段を確保しているが、フルサイズミラーレス「S1H」で採用した動画用手ブレ補正アルゴリズムを搭載し、映像撮影時の手ブレ補正により効果が出るという。
動画フォーマットは、4K/30pやCinema4K 24p 4:2:2 10bitに加え、新たにCinema4K 60p 10bitでの記録に対応。Cinema4K 30p 4:2:2 10bitではALL-Intraに対応し、400Mbpsでの記録(Cinema4K 60pは200Mbps)が可能という。また、4:3アスペクトのアナモフィックレンズに対応し、6K動画と同程度の画素数を持つ高解像度アナモフィックモード(4992×3744/30p)をサポートする。さらに、S1Hで搭載された撮影アシスト機能を移植。記録時の画面内赤枠表示や、ゼブラパターン、ヒストグラム、カラーバー、ベクトルスコープ、スポット輝度メーターなどが利用可能だ。
カメラ内で10 bitのLog撮影に対応。柔軟なカラーグレーディングに対応するほか、V-Log Lに対応した他のLUMIX Gシリーズやフルサイズミラーレス一眼カメラ LUMIX Sシリーズ、パナソニックのシネマカメラブランド「VARICAM」で撮影した動画と組み合わせて、一貫した絵作りで映像編集が可能という。撮影時に、LUT適用後の映像を外部モニターに表示する「V-Log Lビューアシスト機能」を搭載し、仕上がり時のルックを確認しながら撮影できる。
ミラーレスカメラでの動画撮影で問題になりがちなのが、ボディが熱を持って動画撮影がストップしてしまうことにある。そこで同社では、独自の放熱システムと、映像エンジンの省電力化により、動画撮影、ライブ配信ともに時間無制限での撮影を実現。特に熱が発生しやすいUSB給電中での動画撮影や、40度の高温環境でも問題なく動作するという(最低動作温度はマイナス10度の耐低温設計)。
ボディは、防塵防滴仕様で、輝度と色再現性を大幅に向上したバリアングル液晶、UHS-IIに対応したデュアルSDカードスロットなどを採用。秒間12コマの連写性能も有する。バッテリーは従来モデルより18%大容量化し、USB-PDに対応した給電・充電に対応する。重さは、本体のみで647g、バッテリーやSDカードを搭載した状態で727g。
市場想定価格は、本体が税込19万4000円前後、12-60mmのレンズをセットにしたレンズキットは税込21万9000円前後を予定。また、キャッシュバックキャンペーンも実施予定。ボディで1万5000円、レンズキットで2万円をキャッシュバックするという。
開発発表されたGH6は、「LUMIX G」シリーズのフラッグシップモデルに位置づけられるもので、2021年内での製品化を目標としている。イメージセンサーは、高速読み出しができるセンサー、映像エンジンのヴィーナスエンジンともに新開発。
4:2:2 10bit Cinema4K(4096×2160ピクセル)の60fpsでの撮影を実現。推奨動作温度内であれば、無制限での動画撮影が可能。さらに、スローモーションやクイックモーション撮影が可能な、10bit 4K 120fpsでのハイフレームレート(HFR)、バリアブルフレームレート(VFR)記録に対応。10bit 5.7K 60fpsの高解像度記録にも対応する。
そのほか、写真・動画のハイブリッド撮影が可能な動画記録モードや撮影アシスト機能を装備。映画やミュージックビデオ、ドキュメンタリー動画、SNS動画など、さまざまな用途でクリエイターが求める、独創性のあふれる映像表現のニーズに応えるとしている。
同社ではそのほか、新レンズ「LEICA DG 25-50mm/F1.7」を発表したほか、LUMIX G9やGH5S、G100のファームウェアアップデートを予告している。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」