Appleの2021年の年次開発者会議「Worldwide Developers Conference(WWDC)」は米国時間6月7日~11日、2020年と同じく完全オンラインで開催される。最も大きいニュースは初日に発表されるとみられ、基調講演の際に同社の次期OS群、「iOS 15」「iPadOS 15」「macOS 12」「watchOS 8」「tvOS 15」(名称はいずれも未確定)が披露される見込みだ。「M1」の後継となるチップや、「プロ」仕様の新型「Mac」など、ハードウェアに関する情報も出てくるかもしれない。Appleが開発したMシリーズのプロセッサーは、WWDC 2020で発表され、Intelプロセッサー搭載のMacから移行する方向転換の中心的な存在となっている。
セッションが5日間にわたりオンラインで開催されるのは、新型コロナウイルス感染症の世界的流行を受けてのこと。WWDCでは、その5日間を使って「iPhone」やMacをはじめとするAppleデバイスの次期OSが紹介される予定で、ソフトウェア開発者はAppleのエンジニアによる支援を受けながら、ひと足早く新機能を試すことができる。
WWDCに向けたAppleの告知には、「ミー文字」のキャラクターが「MacBook」を開いてのぞき込むアニメーションと画像が採用された。これは、2020年11月にMac関連のイベントが開催された後に出現したインターネットミームが元ネタになっている。同社のソフトウェアエンジニアリング担当シニアバイスプレジデントのCraig Federighi氏が、M1チップ搭載Macの起動の速さを誇らしげに見せた、あの場面がきっかけだ。演出としてミュージシャン故Barry Whiteさんの曲「Playing Your Game, Baby」が流れる動画だったが、確かにミームになるのもうなずける、やや陳腐な作りだった。
WWDC 2021のキャッチフレーズは「Glow and behold.」だ。Appleのイベントの招待状と告知には、大抵メッセージが隠されている。今回は、ミー文字のキャラクターがメガネをかけていて、そこにソフトウェアの要素が映り込んでいる。とすれば、これは長らくうわさされているAppleの拡張現実(AR)メガネの予告なのだろうか。それとも、「glow」(光る)という言葉が、これもうわさの尽きない「Apple Car」のヘッドライトを暗示しているだろうか。あるいは、このアニメーション付きの写真は、単に「macOS」の新機能とそのドックを示しているだけなのか。
新しいハードウェアの発表は、WWDCで一貫していないという伝統がある。この数年、Appleは主力製品の大幅な改良について情報を共有し、新型Macを予告してきた。だが、AppleがARメガネのような新しい製品を計画しているのであれば、それにはソフトウェアと(「rOS」とか?)、アプリを作る開発者が必要だ。
iPhoneの次期モデルは、「iPhone 13」ということになるだろうが、おそらく秋まで登場しないだろう。だが、iPhoneのOS、順当にいけばiOS 15と、iPadのiPadOS 15に関する発表は見込まれている。
2020年の「iOS 14」では、ホーム画面のカスタマイズ機能や、ピクチャインピクチャの動画再生などが追加され、ウィジェットが改良されて、「Siri」のインターフェースも新しくなった。また、アプリの新しい整理方法として「Appライブラリ」も追加された。iOS 15のうわさとしては、現在のアクティビティーに基づいた新しい通知設定、ウィジェットのカスタマイズおよび操作の追加、「WhatsApp」やFacebookの「Messenger」に張り合える新しい「iMessage」機能などが取り沙汰されている。
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