Microsoftが米国時間3月22日に発表した最新調査によると、調査に参加した3万1000人を超える労働者の73%が、パンデミックの収束後も引き続きリモートワークを選択できることを望んでいることがわかった。これから就職しようというZ世代(1990年代後半~2020年代初頭に生まれた人々)の間でさえ、オフィスでしかできない仕事より、リモートワークの選択肢がある仕事に応募する人の割合が若干高い結果となった。しかしその反面、すでに働いているZ世代は、この世代特有の問題に苦しんでもいる。
Microsoftの調査では、Z世代の労働者は全般的に、ストレスや困難を訴える人の割合が他の世代と比べて高かった。若いために独身者が多く、孤独を感じやすい傾向にある。またキャリアが浅いため、雇用主から手当が支給されない限り、自宅に適切なワークスペースを構築するだけの経済的余裕がない。さらに、対面でやり取りする機会がないため、キャリアアップにつながるプロジェクトに参加するチャンスをつかみづらいとみられる。
Microsoftの製品マーケティングマネージャーで、自らも働くZ世代であるHannah McConnaughey氏は、「キャリアが浅い私にとって、完全なリモートワークに移行して以降、ネットワーク作りはきわめて難しいものとなっている。パンデミックの間にまったく別のチームに移ってからはなおさらだ。廊下で言葉を交わしたり、誰かと偶然に出会ったり、コーヒーを飲みながら世間話をしたりする機会がなければ、自分が属するチームとさえつながりを感じることが難しい。社内全体で有意義なつながりを築くことはなおさら困難だ」と述べた。
また、従業員は完全なリモートワークよりも柔軟な働き方が望ましいとも回答している。Microsoftが調査した従業員のうち、73%はリモートワークという選択肢を残してほしいと思っており、46%はリモートで働けるようになったので引っ越す可能性があると答えた。それでも、67%は対面もしくはコラボレーションの仕事を増やしたいと回答した。
Microsoftは結論として、チームがリモートでもオフィスでも働けるように、現実の世界とデジタルの世界の橋渡しをしてくれる技術に企業が投資することなどを推奨している。
Microsoft傘下のLinkedInでシニア総合編集者(エディター・アット・ラージ)を務めるGeorge Anders氏は、「調査の結果、Z世代と働き始めたばかりの世代の人々にとって、今は非常に困難な時代だということがわかった」と述べた。「通常なら行われるはずの対面による新人研修、人脈作り、トレーニングなどができていないため、これらの世代の人々がしっかりとした足場を見出すのはとても困難だ」(同氏)
Anders氏は「新しい計画を立てる準備を整えることだ。それも1回だけではなく、おそらくは何回も必要になるだろう」として、「4月に従業員や会社のために役立ったことが11月にも役立つとは限らない」と述べた。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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