厚生労働省は2月3日、Android版接触確認アプリの障害について、条件に該当する接触があっても接触として検知・通知を行っていないことが判明したと発表した。
検知・通知は、陽性登録を行った本アプリ利用者との1メートル以内15分以上の接触がある場合が対象だ。現在、アプリの改修を進めており、本障害の解消は2月中旬を予定しているという。
この不具合に加え、条件に該当しない陽性者との近接(例:ごく短時間の近接)についても通知してしまう(過剰な接触件数が表示される)プログラム上の問題があることも判明しており、これについても併せて修正を予定している。
なお、今回判明した経緯について、2020年9月28日のバージョンアップに伴って生じたものという。アプリ改修時には、テスト環境を用いて必要なテストを実施してきたが、その際のテスト内容は、本アプリの基盤となっている接触通知APIから出力される接触リスクに関する値を前提とした模擬的な検証を行うものだった。
しかしながら、陽性者と接触しているはずであるが本アプリで通知がこなかった旨の報道を受け、従来の模擬的な検証に加えて実機を用いた動作検証を行ったところ、接触リスクに関する値がAndroid端末については想定と異なる形で接触通知APIから出力され、その結果、接触が正しく通知されないこととなっていることが判明したと説明している。
今後の再発防止策として、アプリ開発・保守運用事業者に対し、品質管理の徹底を指示するとともに、厚生労働省側としても正常に動作するかや不具合がないかを十分に検証した上で本アプリの納品を受けられるように、専門家の増員を図るという。
今回の障害が解消されるまでの間は、仮に陽性者との1メートル以内15分以上での接触があったとしても、通知を受け取れないが、継続してアプリを利用することで他の端末との接触に関する情報を端末内に記録できる。
現状で不具合はあるものの、障害の解消後にこの記録に基づいて、14日前までに陽性者との接触があった場合には通知が受け取れるようになるため、継続して利用してほしいと呼びかけている。
なお、iOS版については本障害の影響はないとしている。しかし、すでに利用していても突然インストール後のような初期画面が表示され、利用日数のカウントが0になる不具合が報告されており、実際に筆者もカウントが0になる体験をした。しばらくアプリを起動していなかったというiOS版のユーザーは、起動してみることをおすすめしたい。
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