ソニー、映像プロ向けスマホ「Xperia PRO」販売へ--HDMI入力や5Gミリ波に対応

　ソニーは1月27日、「Xperia」ブランドとして初めて5Gのミリ波帯に対応した、映像制作などプロフェッショナル向けのSIMロックフリースマートフォン「Xperia PRO」を商品化し、日本および、アメリカでの予約・販売を開始したと発表した。税別価格は、22万7091円。

　本製品は、28GHz帯など（6GHz未満の周波数帯であるSub6にも対応）の高周波数帯を利用する5Gミリ波を活用することで、高速・大容量通信を可能としたスマートフォン。上下左右4方向に配置したアンテナと低誘電率素材の使用により、直進性が強く、安定した通信を保持するのが難しい5Gミリ波における360度全方向からの受信感度を向上させているのが特徴。

　さらには、5Gミリ波通信を受信している方向や通信のデータ送受信速度を可視化できる「Network Visualizer」を搭載し、より安定した通信環境が維持できるようになっている。

カメラのHDMI入力に対応、モバイル回線でリアルタイム配信可能

　また、世界で初めてHDMI入力に対応したことで、同社のデジタル一眼カメラ「α」シリーズのなどの外部モニターとして利用可能。加えて、映像制作の基準器として使われている同社のマスターモニターを手掛ける部門が監修した色設定「クリエイターモード」を搭載する。

　特に、民生用モニターではあまり採用されていないUHD（Ultra HD）の放送規格「ITU-R BT.2020」の色域に対応するほか、10bit信号をサポートする独自開発の画像処理、約6.5インチの4K HDR対応有機ELディスプレイを搭載。出荷時には、ディスプレイの輝度むら、色ずれを補正することで優れた白の均一性、画質の安定性を実現した。

　さらに、入力した映像の解像度やフレームレートの自動検知、ピンチイン・アウトとズームイン・アウトの操作、明るさ調整、グリッド線の表示なども可能な「外部モニター機能」を搭載。

　αシリーズなどからHDMIで入力した映像を、5Gなどのモバイル回線にストリーミング配信できるため、ミラーレス一眼とXperia PROだけで、高解像度・高画質な動画をスタンドアローンで配信することができる。

　そのほか、USBテザリング機能対応のカメラと接続すれば、撮影した静止画・動画を、5Gミリ波通信でFTPサーバーに転送するといった使い方にも対応する。αとの連携で、リモート撮影や撮影中および、撮影後のデータ転送時の利便性も高めているという。

ZEISSレンズを採用したトリプルカメラを搭載

　αで培った技術により、AF/AE追従最高20コマ/秒の高速連写を実現。αから継承したUIをXperiaに最適化したフォト撮影専用機能「Photography Pro」や「リアルタイム瞳AF」などを搭載する。

　さらに、ZEISSレンズを採用したトリプルカメラを搭載。有効画素数約1220万画素の16mm（超広角）F値2.2、有効画素数約1220万画素の70mm（望遠）F値2.4、有効画素数約1220万画素の24mm（標準）F値1.7。これに加えて3D iToFセンサーも内蔵する。フロントカメラは、有効画素数約800万画素でF値2.0。

　プロセッサは、Qualcomm Snapdragon 865 5G Mobile Platformを搭載。メモリは、RAM12GB/ROM512GB。本体は、防水（IPX5/8）・防塵（IP6X）性能を備えたほか、独自の熱を拡散する構造設計を採用。ディスプレイには高強度なCorning Gorilla Glass 6を採用した。

　バッテリー容量は4000mAh。最短30分で約50％の急速充電に対応するほか、独自の充電最適化技術と「いたわり充電」により、充電時のバッテリーへの負荷を軽減しバッテリーの長寿命化を実現。電池消費を抑えて電池持ちをよくする「STAMINAモード」などの基本性能・機能を備えている。

　外形寸法（幅×高さ×厚さ）は、約75×171×10.4mm。重量は、約225g。撮影時にすぐ利用したいアプリケーションを呼び出せる「ショートカットキー」を側面に搭載した。外部メモリとして、最大1TBまでのmicroSDに対応する。