華為技術(ファーウェイ)は近年、「App Store」や「Google Play」と競合する同社のアプリストア「AppGallery」を徐々に拡充してきた。そしてこのほど、重要なアプリを新たに追加する。同社は現地時間7月4日、AppGalleryで初となる配車アプリ「Bolt」(旧称「Taxify」)を近く追加すると発表した。
Boltはエストニアに本社を置く配車アプリ開発企業で、欧州各国で急速にユーザー数を伸ばしている。特に英ロンドンでは、「Uber」に変わる比較的安価な選択肢として好評を集めている。提供するサービスは国によって異なるが、自転車と電動スクーターのシェア、オンデマンドの配車が含まれ、今後は食品配達も追加される見込みだ。
ファーウェイのAppGalleryでは現在、Uberアプリを入手することはできない。米国政府が2019年、ファーウェイに対する米国製品の提供を事実上禁止したことを受けて、ファーウェイは自社製スマートフォンにGoogle Playを含むGoogleのサービスを搭載できなくなった。同社はそれ以来、ソフトウェアに関して、独自開発などの動きを一層強めてきた。
その主な例として、地図アプリ「HERE WeGo」がある。これはもともとNokiaが開発し、2013年にまず「Windows Phone」向けに提供されたアプリで、Appleの「マップ」や「Googleマップ」と競合する。AppGalleryは現在、「Viber」「Telegram」「TikTok」「Tinder」「Badoo」などの主要なソーシャルネットワークアプリや「Zoom」も提供している。「Facebook」「WhatsApp」「Instagram」は提供していない。
ファーウェイは現在、欧州でサムスン、Appleに次いで最も人気の高いスマートフォンブランドだ。Financial Timesは3月、Boltを欧州で3番目に成長の速い企業だと伝えていた。BoltのアプリがファーウェイのAppGalleryで提供されることで、Boltはまったく新しい市場の顧客を獲得できる可能性がある。またファーウェイは、自社のストアに不可欠なサービスを取り込むことになる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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