DiDiモビリティジャパンは6月24日、北海道、沖縄、兵庫、広島の一部地域と青森、秋田など11都市の全地域において、7月1日よりサービスを中止すると発表した。
今回のサービス中止は、すでにサービスを提供している25都道府県のうち15都市が対象。ただし、北海道や兵庫、広島、沖縄は一部のエリアのみ提供を中止するもので、例えば、札幌市や那覇市などは継続する。なお、同社ではあくまでもサービスの一時停止であり、撤退ではないとしている。中止する地域は下記の通り。
中止する理由として同社広報部は、「基本的に新型コロナウイルスが影響している」と語る。「今までは面を取る戦略で約25都市まで広げた。本来であれば47都道府県をカバーし、面を取りつつ深度を深めるフェーズだったが、タクシーという乗り物がお客様に利用してもらえるのか、新型コロナで軌道修正することにした」とし、「黒字化を目指すのがもう一つの目的。集中と選択をすることにした」と語った。
続けて、「コロナが終息するタイミングが見えない。であれば、コロナ禍で廃業したり休業するタクシー事業者が多いなか利用料は取れない。一旦停止してもらい、先方もコストをセービングしてもらう」と説明する。タクシー事業者からは、「コストが浮いて助かる」という声もあれば「コロナ禍だからこそ続けてほしい」という意見もあったという。同社は、事業者に状況を説明し、国交省にも報告。サービス中止前に今回の告知を出す流れとなった。
15都市を選定した理由として「ローンチ後、蓄積されたデータを検証して決定した。利用率やドライバーのオンライン率などを総合的に判断している。都市部ではアプリからタクシーを呼ぶのが普及しており、都市部が残る形となった」としている。なお、DiDiは中華圏からのインバウンドに強いが、こうしたユーザーは新型コロナウイルスの影響で訪日できていない。そのため、観光地などでは大きく利用率が下がっているという。
そして、広報担当者は「撤退ではない」と強調。「黒字化したあとで再度、面を取りに行く」と、サービス再開を目指す。
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