動画サービス「ABEMA」、誹謗中傷にシステムで対策--コメント投稿時に注意点を表示

 Netflixや地上波で放送されていた人気リアリティショー「テラスハウス」に出演していた女子プロレスラーの木村花さん(22歳)が5月23日に亡くなった。自ら命を絶ったとみられている。木村さんのSNSには1日に100件近く誹謗中傷の書き込みがあったという。

 これを受けて、SNS各社や動画サービス各社が誹謗中傷への対応を表明する中、短期間でシステムにまで対策を反映したのが、テレビ&ビデオエンターテインメントサービス「ABEMA(アベマ)」だ。サイバーエージェントグループのAbemaTVは6月23日、ABEMAにおいて、ユーザーがコメントを投稿する前に「コメント投稿時の注意点」を表示する機能を実装した。

ユーザーがコメントを投稿する前に「コメント投稿時の注意点」を表示
ユーザーがコメントを投稿する前に「コメント投稿時の注意点」を表示

 ABEMAでは、「今日、好きになりました。」「オオカミちゃんには騙されない」など、若者の恋愛リアリティーショー番組を強みの1つとしており、SNSの誹謗中傷を含めた反響について相談しやすい環境作りをしてきたという。木村花さんの事件後には、5月27日に「番組出演者向けの誹謗中傷相談窓口」を開設するなど、これまで以上に番組出演者をインターネットの誹謗中傷から守る対策をしていると説明する。

 また、システムでの対策も進めてきたという。具体的には、(1)有人およびシステムによるコメントの監視、(2)監視基盤システム「Orion」によるコメントのフィルタリングとNGワードの自動非表示、(3)規約違反を見つけたユーザーに対しては、一定期間コメント投稿ができないペナルティ、(4)コメント投稿のBAN(排除)などだ。

 そして、6月23日に新たに「コメント投稿時の注意点」を表示する機能が実装された。この機能は、ユーザーがコメント入力フォームをタップした際に、コメント投稿についての注意点をアラートするもの。同意するとコメントが入力できるようになる。視聴デバイスは、スマホ、タブレット、PCすべてが対象になるという(PCは後日実装)。

 ただし、このアラートが表示されるのは1ユーザーにつき1度きりだという。その理由について同社は、「純粋にコメントを楽しんでいるユーザーの利便性を下げすぎるのも良くないという判断のもと1回限りの表示となった。その代わり、システムによる対策をより強化しており、一部恋愛リアリティーショーでは、放送タイミングや時節にあわせ、毎放送回フィルタリングワードの調節をしている」と説明した。

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