楽天モバイルのオリジナルスマートフォン「Rakuten Mini」で発覚した告知なしでの仕様変更だが、LTE以外にW-CDMA(3G)でも周波数を変更し、合計で3つのバージョンが存在することが判明した。同社では、技適を追加申請し、無事受理されたものの、総務省からは報告徴収を受ける結果となった。
同社広報部に確認したところ、LTEとW-CDMAのバンドは連動しており、合計で3つのパターンが存在。前回の報告では、Band 1対応モデルとBand 4/5対応(Band 1非対応)モデルに区別されていたが、正式にはBand 1非対応モデルよりも前に、Band 1とBand 5に対応したモデルが存在する。製造番号別の対応バンドは下記の通り。
前回の報告では、LTEのBand 4/5を追加した理由として、海外ローミングの強化を挙げており、楽天回線とパートナー回線(KDDI)はBand 3を使用するため、Band 1非対応でも楽天回線を利用する分には影響はないと説明していた。今回の件について同社広報部は、W-CDMAとLTEは連動しており、LTEの仕様変更と合わせてW-CDMAの対応周波数も変わっていたという。ただし、こちらもウェブサイトへの掲載なしにサイレントで変更しており、「開発とマーケ、サイト部門のミスで表示されていなかった」としている。
また、広報担当者は「米国本土ではBand 4が増えてきており、既存のBand 3も北米や欧州など、日本人が多く渡航する地域でよく使われている」と説明する。しかし、LTEに限らずW-CDMAのBand 1は、国内外でよく利用されている帯域で、ローミングでも不都合が出る可能性がある。これに対し、「Band 1が非対応になることでごく一部の海外エリアで利用できなくなるが、(Band 4/5の対応により)トータルではプラスになる」と説明する。
なお、ウェブサイトの仕様を誤表記していた期間に購入したユーザーに対しては、希望があればBand 1対応モデルに交換可能という。ただし、今後もBand 1非対応で販売を続けていく予定で、正しい仕様に修正したあとに購入したRakuten Miniについては、Band 1モデルへの交換はできないようだ。
仕様変更で気になる技適だが、3つのモデルともに技適認証を追加申請しており、すでに受理されているという。そのため、現在販売されている仕様でも、技適番号は変わらないまま適用となる。問題発覚からのスピード受理となったが、「(端末の)仕様自体はほとんど変わらず、異なる周波数帯に関する追加申請のため、ゼロからの検証ではなかった」と説明する。
今回の件で総務省は、Rakuten Miniの一部が認証を受けた工事設計に合致していないおそれがあるとして、楽天モバイル側に報告を求めている。この件に関しては同社は、「追加申請せずに仕様を変更していたことに対して、詳細な経緯と今後の対応を報告するもの」と説明。6月26日までに報告書を提出する予定としている。
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