「Rakuten Mini」、告知なく対応周波数を変更して出荷していた--ローミング強化のため

 楽天モバイルは6月10日、同社のオリジナルスマートフォン「Rakuten Mini」において、事前の告知なく対応周波数を変更して出荷していたと発表した。

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「Rakuten Mini」

 Rakuten Miniは、3.6インチで約79gという小型軽量を実現した楽天独自のスマートフォン(製造はTinno Mobile)。Snapdragon 439、おサイフケータイ、防塵防滴に対応するなど十分な性能を押さえつつ、税別1万9819円という価格を実現。さらに、5月27日からはキャンペーンとして楽天モバイルへの契約を条件に1円で販売しており、人気が上昇。BCNランキング(6月7日の日次集計データ)でも1位を記録した。

 もともとRakuten Miniでは、Band 1 (2.1GHz) / Band 3 (1.8GHz) / Band 18 (800MHz) / Band 19 (800MHz) / Band 26 (800MHz) / Band 28 (700MHz APT) のLTE周波数に対応している。しかし、5月上旬からBand1を非対応に、Band 4 (1.7GHz) / Band 5 (850MHz)を新たに追加したバージョンを、事前に告知することなく出荷していた。

 楽天回線およびパートナー回線(KDDI)では、Band 3をメインに使うこともあり、今回の変更に影響はない。しかし、eSIM対応のSIMフリー端末を謳っていることもあり、Band 1に非対応だとNTTドコモなどでは一部基地局の電波をつかめなくなってしまう。例えば、eSIMプランを提供するIIJ mio回線で利用しようとすると影響が出る可能性がある。

 Band 4/5を追加した理由について楽天モバイル広報部は、「米国や欧州ではBand 4/5が多く使われており、これに対応することでローミングが使いやすくなる」と説明する。一方で、Band 1を削除した理由については、「ハードウェアの容量的にすべてのバンドを追加できない。そのため、Band 1を非対応にした」という。

 なお、バンド変更はソフトウェア上で書き換えており、Rakuten MiniのハードウェアはBand 1対応モデルと、Band 4/5対応モデルで違いはないとしている。しかし、任意で切り替えできるものではなく、現在出荷されているものはハードウェアの仕様としてBand 1には非対応となる。

 こうした仕様変更で技適は問題ないのだろうか。同社広報部は、「ソフトウェアでの変更という形なので、今のところは技適に適用しているものと認識しているが、社内で調査を進めている」と説明。総務省にもすでに報告しているようだ。

 なお、今回の仕様変更は、事前に告知などなくサイレントで行われていた。この理由について広報部は、「ウェブサイトをアップデートする予定だったが、更新作業が行われていなかった」と説明。こうしたことから、ユーザーの希望があれば、Band 4/5対応モデルからBand 1対応モデルへの交換も受け付けるとしている。周波数が変更された新バージョンは、製造番号「351676110680487」以降のモデルが対象だ。

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