NTTドコモは3月18日、次世代通信サービス「5G」を3月25日に開始することを発表した。また、これにあわせて5G時代に向けた新たなクラウドサービスや、コンサルティングサービスを提供することを発表した。
まず、クラウドサービスとして、ドコモのネットワーク網と接続したクラウドコンピューティング設備(以下、クラウド基盤)を用いたサービスである「ドコモオープンイノベーションクラウド」を3月25日より商用提供する。また、接続端末とクラウド基盤間の通信経路を最適化することでネットワーク伝送遅延を短縮する「クラウドダイレクト」を5月下旬以降に提供する予定だという。
ドコモオープンイノベーションクラウドは、低遅延、高セキュリティなど、MEC(Multi-access Edge Computing)の特長を持つクラウドサービス。ドコモ網内の設備にクラウド基盤を構築することで実現した。すでに「ドコモ5Gオープンパートナープログラム」に参加するパートナー向けに、トライアル環境を提供しており、33社と技術検証を進めてきたという。
今回、商用提供を開始するにあたり、同社では3月25日に東京拠点を開設。クラウド基盤には、ドコモが開発した画像認識APIなどの技術や、ドコモおよびパートナーが提供する映像伝送、VR・ARなどの11ソリューションが順次搭載されるという。
さらに、5月下旬以降のクラウドダイレクトの提供開始にあわせて、神奈川、大阪、大分拠点を開設し、全国4拠点で運用する予定。複数拠点の利用申込みをすることで、接続先の拠点を柔軟に変更可能な「ネットワーク・オン・デマンド機能」によって、より低遅延なクラウドコンピューティングサービスを利用できるとしている。
なお、ドコモオープンイノベーションクラウドの提供に合わせて、これまで「ドコモ・クラウド基盤」として提供してきたサービスを「ドコモオープンイノベーションクラウド」に統合するという。
また、同社は5Gを中心とした通信ネットワークからローカルネットワークまで、最適な通信環境の構築を提案する「ネットワークカスタマイゼーション」を3月25日より提供する。
同サービスは、5Gをはじめとした通信ネットワークを顧客の要望に合わせて、エリア調査から構築設計・導入支援までサポートする総合的なコンサルティングサービスで、複数のネットワークソリューションで構成されているという。
たとえば、イベント会場におけるライブ中継など、高速・大容量な回線を用いて短期間でのエリア化を希望する顧客には、可搬型の5G基地局「キャリー5G」を使ったソリューションを提案する。また、低遅延な通信が必要なユースケースに対しては、ドコモオープンイノベーションクラウドの活用を提案するという。
工場の人手不足解消を目的に、生産ラインなどの自動化に向けてローカル5Gの構築を希望する顧客には、省庁への申請サポートやエリア調査、ネットワーク機器の選定から設置までを、これまで蓄積してきたノウハウを基にドコモがサポートするとしている。
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