町が封鎖され、隔離措置によって人々が外出を禁じられれば、たちまち厳しい状況が生まれる。しかし、ある中国企業は、新型コロナウイルスがもたらしたこの厄介な状況も、テクノロジーによって改善できることを示している。
自動運転の配達ロボットを手がける中国のスタートアップ、新石器(Neolix)は、配達ロボットの注文対応に追われている。隔離措置で無人と化した道路を自動走行するロボットの需要が拡大しているようだ。Bloombergが米国時間3月9日に報じたところによると、同社は阿里巴巴(アリババ)やJD.com(京東商城)などのオンライン小売大手を含む中国企業から、2カ月で200台を超える小型配達ロボットを受注した。新型コロナウイルスが流行する以前は、2019年5月の製造開始からの生産数がわずか125台だった。同社のビジネスは今、急速に拡大している。
この自動配達ロボットは、新型コロナウイルスの発生で特に影響を受けた地域に医療品を届けるなど、中国の一部地域で非常に大きな役割を果たしている。そればかりか、中国で一部企業が今なお業務を再開できずにいる状況で、人手不足を補う役割も果たしている。さらに、道路の消毒作業にも利用されているほか、最前線でウイルスの拡散を抑えようとしている医療関係者に食料を届ける上で役立っているという。
自動配達ロボットのメリットが明らかになった今、中国の地方自治体がこのようなロボットの購入に補助金を出す計画を立てているという。新石器の創業者Yu Enyuan氏によると、購入価格の最大60%が補助されるとBloombergは報じている。こうした追い風を受けて、新石器では2020年中に1000台のロボットを販売する計画だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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