日本電気(NEC)は2月17日、国が掲げるGIGA(Global and Innovation Gateway for All)スクール構想の実現に向けて、PCなどの学習者用端末と校内の通信ネットワークといったICT環境の整備を進めていくと発表した。
Society 5.0時代におけるICTを活用した新しい学びを実現するため、国はGIGAスクール構想を掲げ、1人1台の学習者用端末と高速大容量の通信ネットワークの整備を一体的に推進している。
文部科学省では、2019年度補正予算ならびに2020年度予算において、この予算措置を講じており、全国の自治体には、PCや通信ネットワークといったICT環境の整備のほか、ICTを活用した指導体制の構築やデジタル教材など、教育のデジタル化を総合的に進めていくことが求められている。
そこで同社は、これまで文教市場で蓄積してきた実績を元に、文部科学省「新時代の学びを支える先端技術活用推進方策」に基づく製品・サービスを一体的に提供する。
学習者用端末としては、GIGAスクール構想で示された具体的モデルに準拠した端末を新たに追加。OUTカメラ搭載やWiFiモデルに加え、LTEモデルも用意した「NEC Chromebook Y2」(2020年6月下旬出荷開始予定)および、Windows10搭載の「VersaPro E」シリーズ(2020年10月下旬出荷開始予定)などを用意する。
通信ネットワークでは、高品質な校内LANの整備を進め、全教室で全児童生徒が一斉に端末を利用する際、「快適・公平・安全」に通信ネットワークを利用できる環境を構築。具体的には、文教市場で多数の実績を有する拠点ルーターに「UNIVERGE IX」シリーズ、基幹スイッチとフロアスイッチに「UNIVERGE QX-S」シリーズ、無線LANアクセスポイントに「UNIVERGE QX-W」シリーズと「NA1500A」を提供する。
なお、NECプラットフォームズが提供する無料のクラウド型統合管理サービス「NetMeister」を利用し、各校のネットワーク機器をクラウド上から一元的に管理できるという。
同社ではさらに、教育のデジタル化を一層推進するため、文部科学省と総務省が連携して進める「教育現場の課題解決に向けたローカル5Gの活用モデル構築」にも積極的に取り組むとしている。
加えて、「新学習指導要領」に掲げられたICTを活用した学習活動の充実にも取り組む。具体的には、デジタル教科書・教材、学習支援サービスなどを利用するためのプラットフォームとして、NEC教育クラウド「Open Platform for Education」を4月より提供する。
同時に、1人1台整備される学習者用端末を有効に活用するため、すららネット(AIを活用した個別最適化ドリル教材「ピタドリ」)、ジョイズ(AIを活用した英会話アプリ「TerraTalk」)、ロジカ・エデュケーション(プログラミング教材「ロジカ式 for SCHOOL」)と提携し、同プラットフォームを通じて、各社のデジタル教材を4月より配信する。なお、ICTを活用した教育をまずは体験してもらうため、来年度に限り無償で提供するという。
さらに、今年度より紙の教科書との併用が認められたデジタル教科書についても、同プラットフォームを通じて、4月より順次提供する。同社は、日教販と協業しており、連携して教科書をはじめ提供するデジタル教材を拡充していく予定。
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