サムスンも、「Mobile World Congress(MWC)」への参加規模を縮小する可能性が出てきた。MWCにとっては打撃となりそうだ。MWCは世界最大級のモバイル見本市だ。
サムスンの計画に詳しい情報筋によると、同社はMWCについて、対応を検討しているという。MWCはバルセロナで2月の最終週に開催される。これまでのところ、米国と韓国本社の従業員の多くは、欧州への出張をキャンセルする予定だと情報筋は述べた。
猛威を振るう新型コロナウイルスを懸念して、この1週間で3社がMWC 2020への参加を取りやめ、多数の企業が計画を変更する可能性を示している。
情報筋によると、サムスンは米国時間2月7日の時点で、MWCにブースを設けて参加する予定とされている。しかし、10万人が訪れるイベント会場の舞台裏で通常行われる幹部間の重要な商談は見られない可能性もあるだろう。
新型コロナウイルスをめぐる状況は目まぐるしく変化しており、サムスンが再び計画を変更する可能性はあると情報筋は述べている。
米CNETはサムスンにコメントを求めたが、回答は得られていない。
MWCへの参加を見直している企業はサムスンだけではないが、同社は参加企業の中で最大規模となる。同社は以前、バルセロナで最新の製品を発表していたが、近年はMWCに先だって米国で「UNPACKED」イベントを開催している。2020年は2月11日にサンフランシスコでUNPACKEDを開催する。「Galaxy S20」「Galaxy Z Flip」などの最新のスマートフォンが披露されると予想されている。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響は世界中に波及しており、ハイテク業界の密接なつながりを物語っているようだ。世界最大規模のスマートフォンメーカー数社は中国企業だ。中国企業はサプライチェーンで主要な役割を果たしており、世界の顧客に向け、部品の製造や端末の組み立てを行っている。新型コロナウイルスをめぐる懸念から、工場は閉鎖され、約1100万人の人口を抱える武漢市は事実上封鎖されている。多数のテクノロジー企業は、店舗やオフィスを閉鎖し、渡航規制を実施している。
LGやEricsson、NVIDIAは、MWCへの出展を見合わせるとしている。ZTEも記者会見をキャンセルしたとされる。華為技術(ファーウェイ)と欧珀(オッポ)は、MWC開幕前に自社幹部らを14日間隔離する計画で、オッポは、イベントに参加する全員の体温を確認するという。他の企業も、衛生と健康を厳しく管理するなど、従業員や参加者のリスクを防ぐ予防策を講じている。
各社内部の議論に詳しい情報筋によると、モバイル業界のその他主要企業も参加を見直している。完全な撤退を検討、あるいは参加規模の縮小を計画しているという。一部の企業は、アジアや米国からの幹部の出張を取りやめ、欧州の従業員にブースやイベントを担当させることを検討している可能性もある。多くの企業は、幹部がカンファレンスに参加するかどうか各自に判断を任せる計画だ。
サムスンが最終的にMWCから撤退することになれば、影響は業界全体に波及しそうだ。
IDCのアナリストFrancisco Jeronimo氏は、「2020年の参加者数は劇的に減少するとみている」と述べた。
さらに、Amazonも撤退すると報じられている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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