グーグルは2月4日、同社製スマートフォン「Pixel 4」にて、端末に触れずに操作できるジェスチャー機能「Motion Sense」を日本で提供開始すると発表した。また、英語圏ではすでに実装されているGoogleアシスタントのアップデートも実装する。
Motion Senseは、端末の周囲の動きを検知する小型のレーダー技術「Soli」を活用。ディスプレイの上にレーダーセンサーを内蔵しており、半径0.6m以内に近づいたものを検知する「プレゼンス」、端末を取り上げようとする動きを予測する「リーチ」、手のジェスチャーを検知する「スワイプジェスチャー」に対応する。日本では、レーダーセンサーが使用する帯域が法律上利用できなかったものの、総務省から許可が出たことで今回の機能提供にいたった。
これにより、ユーザーの手が近づくのを検知して画面をオンにすることで、通知や時間を確認したり、取り上げようとする動きを検知して着信音を徐々に小さくしてくれる。また、アラームのオフ、着信音のサイレント、音楽の曲送り(多くの音楽アプリに対応)などを端末に触れることなくジェスチャーで操作可能。さらに、端末を持ち上げる動作を検知するとフェイスアンロックの準備状態に入るほか、Soliで顔認証の精度も向上しているため、「世界最速の顔認証」を実現したという。
なお、センサーは常にオンになっているものの、非常に低電力で動作するため、電池持ちの影響については殆どないという。ジェスチャーコントロールでは、センサーレベルの段階を引き上げるものの低電力動作をキープするほか、プレゼンスで人が端末から離れたら自動で画面をオフにするなど、端末自体の省電力に貢献するという。Motion Senseで取得したデータは、端末内で処理し消去。Googleのクラウドにもアップロードされないという。
そのほか、Motion Senseを活用し、ポケモンのキャラクターが手の動きに反応して動くライブ壁紙も登場。手を振るとピカチュウなどが手を振り返してくれる。
Pixel 4にはGoogleアシスタントのアップデートも提供開始となる。今回のアップデートでは、アラームセットやアプリの起動がより簡単に、素早くなるほか、アプリの融合が進み、特定の機能を声だけで呼び出せるようになった。英語圏外でのアップデートは日本語が最初となる。
これは、音声認識技術、自然言語処理技術、クラウドにあった巨大な言語モデルを小型化することでオンデバイス化を実現。クラウドとオンデバイス処理のハイブリッドモデルを採用している。リクエストの一部をデバイスのみで処理することで、レスポンスが高速化したという。また、Googleアシスタントの音声も、DeepMindの「WaveNet」を使用することで、聞き取りやすい自然なトーンとイントネーションで会話できるという。
Googleアシスタントでは、リアルタイムで翻訳する「通訳モード」を2019年12月末に提供を開始。「通訳して」と話しかけるだけで起動し、日本語から英語に、英語から日本語に逐次通訳してくれる。個人向けとしてはすでに提供している機能だが、「Google Nest Hub」「Google Nest Hub Max」「Google Nest Mini」のほかGoogle Homeデバイスに、ビジネス向けモードに通訳モードを2020年内に提供するとしている。個人向けモードと切り離すことで、Googleカレンダーに入っている個人の予定などを読み上げてしまう心配がなくなるという。
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