NEC、商品をレジに通さず決済できるレジレス型店舗を本社ビル内に設置へ

　日本電気（NEC）は12月23日、店舗内に設置したカメラや画像認識技術などを組み合わせることで、商品をレジに通さず決済可能なレジレス型の店舗を2020年2月に本社ビル内にオープンすると発表した。

　これは、購入したい商品を手に取った後、商品をレジに通すことなくそのまま退店するだけで決済可能なレジレス型の店舗。退店と同時に決済が実行され、給与システムと連動して精算されるという。これにより、店舗側はレジ人員の人手不足を解消できることに加え、利用者は商品スキャンによるレジ待ち時間の短縮が可能となる。

　同社では小売業向けに、新規プレーヤーの参入による競争の激化や消費者行動の変化、労働力不足と言った課題に対し、快適な顧客体験を生み出す「Smart Retail CX」というコンセプトを掲げている。今回、技術やソリューション、サービスの体系化を進めることで、その一部を同店舗に実装した。

　なお、同店舗は同社が小売業向けに構築した売上管理・顧客管理などの店舗システムと、Cloudpick社が有するセンサーからのデータ解析システムを連携することで実現している。

　今後、社員証による入店管理に加え、NECの生体認証「Bio-IDiom」の中核技術である顔認証AIエンジン「NeoFace」を活用した顔認証による入店管理を予定している。また、給与天引きの決済に加え、クレジットカードや各種電子マネーと連携した決済を順次実現していく予定。

　NECでは、同店舗での運用ノウハウを生かし、2020年度中に省人化店舗を実現するソリューションの提供を目指すとともに、今後も国内・海外の小売業のデジタルトランスフォーメーション実現に向け、さまざまな企業と連携しエコシステムを構築していくという。