誰とも関わらずに「働く」ということはあり得ず、仕事をしてお金をもらうことは、必ず他者と働くということだ。その働く場で、「自分のことをわかってもらえない」「相手のことが全然わからない」ということは往々にしてある。他人同士が何も言わずに分かり合えるはずもなく、そこには「対話」が必要だった。
「対話」と言っても、必ずしも話し合うことを意味するのではないという。まずは「溝があること」に気づき、次によく「観察」する。続けて、溝にどうやったら橋をかけられるか「解釈」し、最後に橋をかけるという「介入」を行う。このように段階を踏むことで、他者同士の溝を埋めていく作業には、簡単にはいかないだろうが、溝を埋める方法があるかもしれないという希望を見出すことができる。
立場によっても方法は変わるほか、所属している組織のそもそもの体質によっても、橋のかけ方は変わる。本書には、規模の異なるさまざまな会社の事例も挙げられている。読む人の立場によって、受け取り方は変わるかもしれないが、同僚、部下、上司を理解したい、ひいては組織を変えていきたいと考える気持ちがあるなら、本書にある方法を冷静に実行していくのみだ。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス