Microsoftは、コマーシャルクラウド契約の「オンラインサービス条件」(OST)に新たなプライバシー条項を加えると発表した。欧州のプライバシー当局は、Microsoftが欧州連合(EU)の一般データ保護規則(GDPR)に違反している可能性があるとして調査を開始していた。
欧州データ保護監督官(EDPS)は10月、Microsoftが欧州各国の機関と結んでいる契約やGDPR規則の順守について、「重大な懸念」があるとした。
EDPSはMicrosoftに対する調査を4月に開始した。同社が「Office 365」などのユーザーから収集しているテレメトリーデータがGDPRに違反しているとするオランダ法務省の指摘を受けたものだ。
EDPSは10月、Microsoftとオランダ法務省が、個人に及ぶリスクを低減するための契約上、技術上の安全策で新たな合意に達したことを、「前向きな進展」だと評価している。
Microsoftの最高プライバシー責任者で、グローバルなプライバシーおよび規制関連業務を担当するコーポレートバイスプレジデントであるJulie Brill氏によると、新しいOSTは、Microsoftがオランダ法務省とともに策定した契約内容の改定を反映させたものだという。
こうした取り組みは、現在もMicrosoftのクラウド製品に関する契約を調査しているEDPSの態度を軟化させる可能性がある。
新しいOSTにより、Microsoftのクラウド製品におけるデータ処理の透明性が高まるはずだ。今回の改定では、Microsoftが収集しているデータの処理の一部について、用途などをより具体的に説明するものとなるようだ。
Microsoftの新しい契約条件は、EU域内の組織だけでなく、世界中の大小すべての公的機関と民間企業の法人顧客に適用される。Microsoftは、2020年の初め頃から、新しい契約条件をすべての公的機関や法人顧客に提供できる見通しだとBrill氏は説明している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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