パナソニックは11月8日、同社が展開しているビデオ会議システム「HD映像コミュニケーションシステム」(HDコム)について、さまざまなウェブ会議サービスを接続可能とする機能拡張オプションとなる「Webハイブリッドモード拡張ゲートウェイボックス」(品番:KX-VCG100J)を、11月14日に発売すると発表した。
これは、ビデオ会議システムの据え置き型端末で、ウェブ会議サービスと映像・音声の双方向接続を可能とするもの。Webハイブリッドモード拡張ゲートウェイボックスに、ウェブ会議を実施しているPCを接続して使用。Skype for Business、Teams、Zoomといったウェブ会議サービスを、種類を問わず接続が可能となっている。同製品を介して接続することで、ウェブ会議サービス側もHDコムの1拠点として接続され、HDコムとウェブ会議サービスを連携させた会議が可能となる。PCとはHDMIケーブルとUSBケーブルの2本で接続する。
同日に行われた説明会では、商品開発の背景を自社事例とともに説明した。近年働き方改革が叫ばれている中、テレワークが増加傾向にあり、それにともないノートPCなどを活用したウェブ会議を活用するユーザーも増えている環境がある。
パナソニックではHDコムを2009年から展開。現行モデルにおける特徴として、最大24地点接続可能な内蔵多地点接続やかんたん操作、インターネット帯域が変動しても映像や音声が乱れない、安定接続技術の「AV-QoS」を挙げる。自社でも活用しており、国内での3500台を含むグローバルで4000台が稼働しているという。
これまでは会議室ではHDコム、出張中や自宅ではウェブ会議と使い分ける形で利用していたが、ウェブ会議の活用が増えていくなかで“つながらない”という課題が出てきたという。
従来のビデオ会議では、基本的に据え置き型機器により、決まった場所の拠点間を結んで行われるもの。その会議が行われるとしても、キーマンが出張で拠点にいないため参加できないといったことがある。ほかにも、1人だけで参加するにしても広い会議室を占有してしまうこと、本社と工場間での生産会議などで、在宅勤務から参加できないといったことなどを例に挙げた。そして、ビデオ会議とウェブ会議の併用しているユーザーは自社以外でも一定数存在するとの推定により、商品開発を進めたという。
開発にあたっては相手(ウェブ会議のサービス)を選ばずに使えることと、価格面も導入しやすいことを考えたとしている。システム上、PCにおけるウェブ会議システムの映像と音声を、Webハイブリッドモード拡張ゲートウェイボックスを介してビデオ会議にミックスする形となっているため、接続するWeb会議サービスを限定しないものになっていると説明する。
価格についてはオープンとなっており、おおむね40万円程度を想定しているという。パナソニック システムソリューションズ ジャパン マーケティングセンター メディアエンターテインメント推進部 ビジネスコミュニケーション課 課長の坪憲生氏は、自社で調査した範囲として、同種のクラウド型ビデオ会議システムは月額課金制で年間70万円程度のコストが相場という認識を示したうえで、Webハイブリッドモード拡張ゲートウェイボックスは買い切りでもあるため、使う年数によってはさらにコストメリットがあると語った。
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