グーグルは11月1日、ウェアラブル機器大手のフィットビットを約21億ドル(約2269億円)で買収することで合意したと発表した。フィットビットの株主や規制当局の承認が得られれば、2020年中に取引を完了する見込みだ。両社を巡っては、10月28日にグーグル親会社のアルファベットがフィットビット買収を検討しているとロイターなどが報じていた。
フィットビットは、2007年に創業し、スマートウォッチ「Versa」シリーズをはじめとしたウェアラブル製品やフィットネストラッカーを中心に手掛けており、iOS/Android両方で使える独自OSのデバイスを提供している。グーグルとは、2018年4月に「Cloud Healthcare API」を利用して、ウェアラブル機器のデータを電子カルテにひも付けできる取り組みを発表していた。
グーグルでデバイス&サービスのシニアバイスプレジデントを務めるリック・オスターロー氏は、同社ブログで「フィットビットは、ウェアラブル界で真の先駆者であり、素晴らしいプロダクト、ユーザー体験、活気あるユーザーコミュニティを作り上げてきた」とコメント。また、同社が開発するスマートウォッチ用OS「Wear OS」に引き続きコミットしていくとし、「フィットビットと緊密に連携し、それぞれのスマートウォッチとフィットネストラッカーのプラットフォームでベストな組み合わせを目指す」としている。
また、グーグルでは、フィットビットがこれまで貫いてきた強固なプライバシーとセキュリティガイダンスを変えることはないとしており、データはこれからもユーザーのコントロール下にあるという。また、個人情報を外部に販売したり、健康データをグーグルの広告システムで使うことはないとしている。
グーグルは、Wear OSでLGやASUS、モトローラ、ソニーなどパートナー企業と共同でスマートウォッチを展開する一方で、2019年1月にはFossil Groupが持つスマートウォッチ技術を4000万ドル(約43億円)で買収している。なお、これまで自社製のスマートウォッチは登場しておらず、今回の買収がどのように影響するか注目だ。
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